毎月11日を「感謝の日」に制定し、職場の仲間の存在を感謝する
お互いの存在を認め合い、「自分はここに存在するだけで、誰かに何かを与えることができる存在なんだ」と一人ひとりが感じ合える場こそが、最高の「幸せ職場」です。今回も『職場を幸せにするメガネ』の本文から抜粋する形で、職場で導入できる仕組みについて考えていきたいと思います。
~以下、本文より抜粋です。~
2011年3月11日、みなさんはどこで何をしていたでしょうか?
この日は、忘れもしない東日本大震災が起きた日です。
私は東京のオフィスの自席で仕事をしていました。思い出すと今でも恐怖で心臓がバクバクします。オフィスの壁一面に設置された可動式のキャビネットが、地震の揺れでガシャンガシャンと音を立てながら左右に移動し続けていたのです。このまま建物が崩れるのではないか……、本気でそう思いました。
私たちは普段、会社で仕事をしていることも、家族と一緒にいることも、生きていることも、当然のことのように思っています。けれども、あの日を境に、生きていることは当然ではなく、こうやって何事もなく全員が集まって仕事ができることは有り難いことなんだと思えるようになったのです。
そうなのです。
存在してくれているだけで、有り難いことなのです。
その「存在してくれてありがとう」という気持ちを、部下の皆さんにも伝えていきたいですね。
毎朝の「おはよう」の挨拶のひと言に、「今日も元気に出社してくれてありがとう」という気持ちを込めたいのです。
部下の存在そのものに感謝の気持ちを伝える――これこそが究極の勇気づけだと私は思います。
お互いの存在を認め合い、「自分はここに存在するだけで、誰かに何かを与えることができる存在なんだ」と一人ひとりが感じ合える場こそが、最高の「幸せ職場」なのです。
私が仕組みとして最も工夫をしているのが、バリューズの浸透です。私たちは、バリューズではなく、「経理部スタイル」と名づけています。
経理部スタイルは、「感謝」「寛容」「楽しむ」「Yes, and」「報連相」「スピーディー」「正確」など、全部で20の言葉で構成されています。この言葉は、「自分たちが大事にしたい価値観って何だろう?」とみんなで考え、みんなで出し合い、みんなで選んだものです。
20の言葉は、私たちにとって大切なものばかりです。
そして、私は「一日の中で特に大切にしたい言葉を自分自身で毎朝一つ選び、その言葉を胸に仕事を始める」という仕組みをつくったのです。
例えば、「今日は一年でいちばん忙しい日だけれど、だからこそ『楽しむ』という価値を忘れずにいよう」と思った人は、「楽しむ」という言葉を選ぶわけです。
そして、毎月11日は私たちにとって特別な日に定めています。
経理部では、毎月11日を「感謝の日」に制定しています。これは、2011年3月11日、東日本大震災の翌月から始めたことです。
毎月11日は、全員が20の言葉の中から「感謝」を選んで身に着けます。「こうして全員無事に集い、仕事ができることに感謝をしよう。自分の身の回りのことに感謝する気持ちを忘れないようにしよう」という想いを込めて始めた仕組みです。
感謝の日の仕組みも、職場の結束力を高める原動力となっています。
~以上、本文からの抜粋です。~
「有り難い」という言葉の意味をあらためてかみしめ、「感謝」の気持ちを伝え合いながら、毎日を積み重ねていきたいですね。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。
今日も、皆様にとって良い1日でありますように。
『職場を幸せにするメガネ~アドラーに学ぶ勇気づけのマネジメント~』
(小林嘉男著)
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