相手を「勇気づける」フィードバックをする
『職場を幸せにするメガネ』の著者、小林嘉男さんがチームリーダーと週次面接を行うようす
上司が部下に対して行いたいフィードバック、それは「褒める」でも「叱る」でもなく「勇気づけ」のフィードバックです。
今回も『職場を幸せにするメガネ』の本文から抜粋する形で、上司から部下へのフィードバックについて考えていきたいと思います。
~以下、本文より抜粋です。~
勇気づけとは、共同体感覚が強まる関わりのことであり、グッドサイクルを形成していく行為です。
では、実際に職場でどのように勇気づけしていけばよいのか考えていきましょう。
まず始めに大切なのは、部下の頑張りをしっかり見るということです。
よく「うちの部下は売上もあげられない人間ばかりですよ。頑張っているところを探すっていったって、そりゃ無理ですよ」といった声を聞きます。
この上司は、部下の何を見ているのでしょうか?
売上、つまり「成果・結果」を見ているわけです。成果を挙げることはもちろん必要なのですが、成果・結果というのはいろいろな要因が重なり合って出てくるものなので、必ずしも部下本人がコントロールできることばかりではありません。
常に結果を出すことを求めたり求められたりする関係は長続きせず、職場の幸福度は下がってしまいます。
では、成果・結果を見るのではないのだとしたら、何を見ればよいのでしょうか?
それは「プロセス」です。
ダニエル・キム教授の提唱した、組織の成功循環サイクルの図を覚えているでしょうか?
「プロセス」とは、あの図における「関係の質」「思考の質」「行動の質」の部分を指していると考えてください。
なぜなら、「結果の質」は本人でコントロールしにくい(売上が上がるかどうかは顧客の事情によるところが大きい)けれども、「関係の質」「思考の質」「行動の質」は本人でコントロールしやすい(いいアイデアを考えたり、訪問数を増やしたりは自分次第でできる)からです。
「関係」「思考」「行動」の質が向上すれば、グッドサイクルは必ず加速されます。それに伴って「結果の質」も、たとえ時間差があったとしても、必ず向上するのです。
『職場を幸せにするメガネ』P.217より引用
ですから、結果が良かったときも、伴わなかったときも、常に「関係」「思考」「行動」のプロセスでの取り組みに注目したいのです。そして、以前よりも成長・進化したところに目を向け、フィードバックしていきましょう。
数字など目に見える「結果・成果」ではなく、目に見えにくい「プロセス」における部下の成長・進化をフィードバックする――そのためには、常に部下のことを見ている必要があります。
仲間の成長・進化を、決して見逃さない。
そんなメガネを、私たちリーダーはかけ続けていたいですね。
~以上、本文からの抜粋です。~
目に見えにくい「プロセス」をしっかりと見て、部下の成長・進化した点をフィードバックする――決して簡単なことではありません。だからこそ、「自分は幸せ職場を創るリーダーとなるんだ」と決める「覚悟」も求められるでしょう。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。
今日も、皆様にとって良い1日でありますように。
『職場を幸せにするメガネ~アドラーに学ぶ勇気づけのマネジメント~』
(小林嘉男著)
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