部下へのフィードバックは「YOUメッセージ+Iメッセージ」で!
お互いの存在を認め合い、「自分はここに存在するだけで、誰かに何かを与えることができる存在なんだ」と一人ひとりが感じ合える場こそが、最高の「幸せ職場」です。今回も『職場を幸せにするメガネ』の本文から抜粋する形で、フィードバックの伝え方についてもお伝えしたいと思います。
~以下、本文より抜粋です。~
ポイントは「I(私)メッセージ」を盛り込むということです。
例えば、部下がある大口の顧客から受注を獲得したとします。上司であるあなたは、どんな言葉をかけるでしょうか?
Aパターン「こんな大口から受注を取るなんてすごいじゃないか!」
Bパターン「僕も自分のことのように嬉しいよ」
どちらも好意的な表現なので、部下としては言われて悪い気はしないかもしれません。けれども、2つの表現には、実は大きな違いがあるのです。
Aパターンは、「あなたはすごい」という、上司から見た評価・判断を伝えています。
それに対してBパターンは、「自分のことのように嬉しい」という、上司の中で生まれた感情を伝えているのです。
コミュニケーション学では、Aパターンを「YOU(あなた)メッセージ」、Bパターンを「I(私)メッセージ」と呼んでいます。
「あなたは○○だ」というYOUメッセージは、客観的感想を伝えるのに向いています。けれども、言われた側からすると、なんだか上から言われているようで気分悪く感じたり、素直に受け取れないことがあります。
それに対して「私は○○と感じた」というIメッセージは、伝え手側の内側で起こったことを主観的に伝えているので、受け手側もあまり否定的にならず、素直に受け取ることができます。
「痛みに耐えてよく頑張った! 感動した! おめでとう!」
これは怪我をおして優勝した貴乃花に、小泉首相が発した名言です。
これをYOUメッセージ、Iメッセージの視点で見てみましょう。
「痛みに耐えてよく頑張った!」は、YOUメッセージ。
「感動した! おめでとう!」は、Iメッセージです。
「あなたは痛みに耐えてよく頑張った。だから、私は感動した。感謝します」と、前半のYOUメッセージ部分が、後半のIメッセージ部分の理由や動機となっているのですね。
このような「YOUメッセージ+Iメッセージ」の組み合わせは、受け手側の納得感が強いものになるので、ぜひ取り入れていきたいところです。
例えば、先ほどのBパターンを、
「君が今回の受注を獲得するためにどれだけ努力してきたか見ていたから、僕も自分のことのように嬉しいよ」
という伝え方に変えてみます。
前半のYOUメッセージがあることで、日頃からしっかり見てくれていることも伝わり、それがまた聞き手の喜びを生むのではないでしょうか。
ちなみに小泉首相の名言を補足すると、「感動した!」は、小泉首相のIメッセージでもあり、相撲を観戦していた人たち、つまり「WE(私たち)」の気持ちを代弁する「WEメッセージ」でもあったので、なおさら見ている人たちの心が動いたのでしょう。
もしも「痛みに耐えてよく頑張った! あなたは偉い!」と、すべてYOUメッセージで構成されていたら、どうなっていたでしょうか? 「小泉さん、あんたはどれだけ偉いんだよ。何様だよ」という感情で、受け取られていたかもしれませんね。
~以上、本文からの抜粋です。~
「YOUメッセージ+Iメッセージ」の組み合わせは、受け手側の納得感が強いものになる……これはぜひ覚えておきたいですね。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。
今日も、皆様にとって良い1日でありますように。
※冒頭の写真は下記からお借りしました。いつもありがとうございます!
『職場を幸せにするメガネ~アドラーに学ぶ勇気づけのマネジメント~』
(小林嘉男著)
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