相手の立場に立って考えるためのポイント
前回の投稿
の続き。今回は「相手の立場に立って考えるためのポイント」です。
では、相手の立場になって考えるには、いったいどうすればいいのでしょうか?
『職場を幸せにするメガネ』の本文から抜粋する形で、ポイントをお伝えします。
~以下、本文より抜粋です。~
《①今、部下はどんな状況・心理状態なのか?~相手のNow を想像する~》
例えば経理部であれば、決算の真っ只中で猫の手も借りたいぐらい忙しい状況なのか、決算の大詰めを迎えている状況なのか、決算が終わってひと息ついている状況なのか、状況によって部下の状態や関心も違います。
そこでまずは、部下が今どういう状況にいるのかを踏まえた上で、心理状態を想像してみます。「忙しくてさすがに疲れてきたな」なのか、それとも「忙しいけれど終わりが見えてきたぞ」なのか……全体が発している空気、そして一人ひとりが発している空気を、表情や行動などから感じ取ってみるのです。
《②メッセージを聞いた部下にどう感じてほしいか?~相手のAfter を想像する~》
次に、自分が部下にメッセージを伝えた結果、部下にどんな気持ちになってほしいのかを考えます。
「経理部のプライドにかけてもやり抜くんだ」
「上司も応援してくれているし、あともう少し頑張ろう」
「頑張った自分を褒めてあげよう」
など、なってほしい気持ちはいろいろあると思います。
どんな気持ちになれば、部下の幸福度は増すのでしょうか?
メッセージは、一緒に働く大切な仲間へ贈るプレゼントです。
《③Now/After をもとにメッセージを考える》
例えば、こんなふうに考えます。
【Now】
「忙しくてさすがに疲れてきたな」という気持ち
↓でも、あなたが「○○○○○○○○」とメッセージを伝えたことで……
【After】
「経理部のプライドにかけてもやり抜くんだ」という気持ちに変化
あなたが「○○○○○○○○」の中でどんなメッセージを伝えたから、部下の気持ちは変わったのでしょうか?
「君たちにしかできない仕事だから、もうひと踏ん張りしてほしい」
「応援メンバーを呼び、僕も手伝うから、みんなで乗り切ろう」
「終わったらうまいビールを飲みに行こう!」
「必ずできるよ!」……
どんなメッセージかはわかりませんが、あなたのメッセージが部下の幸福度を上げたのなら、そのコミュニケーションは成功です。
メッセージの内容に唯一の〝正解〞など存在しません。相手の状況や心理状態により、常に変化します。
また、全体へメッセージを発信する場合は、単一のメッセージだけでは足りません。例えば「まだまだやれるぞ」という部下と「もうさすがに疲れたよ」という部下が同時にいる状況で発信する場合は、それぞれの心に届く内容を考える必要があります。
リーダーは、コミュニケーションを通して、より良いAfter を部下にもたらす専門家です。瞬間、瞬間で何がベストかを求められ、これでいいというゴールもありません。だからこそ、マネジメントは奥深く、やりがいがあり、面白いのです。
《④伝える前に想像してみる》
実際に部下に伝える前には、自分の中で部下になったつもりで、上司から言われたらどう感じるかシミュレーションしてみるといいでしょう。「冒頭で感謝の気持ちを伝えられると嬉しいな」あるいは「この表現だと責められている気になるな」など、事前に相手の立場になって想像することでメッセージの内容や表現を調整できるからです。
「メッセージは、一緒に働く大切な仲間へ贈るプレゼント」と書きましたが、自分が気に入っているものを贈って(自分の伝えたいことを伝えて)、相手が喜んでくれなかった(幸福度が下がった)のでは、プレゼントの意味がありません。大切な仲間だからこそ、何をプレゼントしたら喜ぶか相手の立場に立って十分考え、想像し、届けたいのです。
~以上、本文からの抜粋です。~
いかがだったでしょうか?
メッセージの内容に唯一の〝正解〞など存在しません。あなたのメッセージが誰かの幸福度を上げたのなら、そのコミュニケーションは成功なのです。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。
今日も、皆様にとって良い1日でありますように。
※冒頭の写真は下記からお借りしました。いつもありがとうございます!
『職場を幸せにするメガネ~アドラーに学ぶ勇気づけのマネジメント~』
(小林嘉男著)
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