リーダーのための7つの自問
前回の投稿では、幸せ職場づくりの第1ステップとして「リーダーとしての想いを明確にする」について触れました。そして、そのための具体的な方法として「そのために自問を繰り返す」というところまで書きました。
では、具体的にはどんなことを自問するのでしょうか? 小林さんいわくその項目は全部で7つあり、各質問項目に対する自分の答えを紙に書き出してみるのだそうです。
本文から抜粋し、7つの自問項目を紹介します。
~以下、本文からの抜粋です。~
【自問①】
今の仕事を始めようと思ったきっかけは?
当時どんな想いで仕事をしていたか?
長い間仕事を続けていると、そもそも自分はどうしてこの仕事をしようと思ったのか、原点となる想いを忘れてしまいがちです。
あらためて、どうしてこの仕事をしようと思ったのか、この仕事を通じて何を成し遂げたいと思っていたのか、思い出してみます。
【自問②】
これだけやっていていいのなら給料も要らない
――そう思えるほど好きな仕事は何か? なぜその仕事が好きなのか?
寝食を忘れるぐらい没頭できること、好きなことには、あなたをそこまで引き付ける何かがあるはずです。
【自問③】
今までやってきたなかで、「もうこれだけはやりたくない」と思う仕事は何か?
どうしてその仕事が嫌なのか?
常にポジティブでなければならない、ネガティブな感情は持ってはいけないような風潮を感じることがあります。
人間ですから、誰しもネガティブな感情を持つのは当然のことだと思います。そのネガティブな感情の裏には、本当はこうしたかった、こうありたかったという「肯定的な意図」が含まれているはずです。
ネガティブな感情は、本当は何を大切にしたかったのか、自分自身の大切にしたい「価値観」に気づくヒントにもなるのです。
そのあなたを魅了する「要素」を今のリーダーという役割に組み込んでいけないでしょうか。きっとあなたのマネジメントがパワフルになるに違いありません。
【自問④】
今まで仕事をしてきたなかで尊敬できる人は誰か?
その人のどんなところが尊敬できるのか?
必ずしも一緒に仕事をした人でなくてもいいと思います。坂本龍馬や吉田松陰など歴史上の人物でもいいですし、稲盛和夫さんや孫正義さんなど現在ご活躍中の経営者でもいいでしょう。
その人のどんなところに惹かれるのか、自分が大切にしていきたいことのヒントが見つかります。
【自問⑤】
今まで仕事をしてきたなかで、あんなふうにはなりたくないと思うのは誰か?
その人のどんなところが嫌なのか?
いわゆる「反面教師」と呼ばれるものです。プラスであってもマイナスであっても、感情が動くところには、自分が大切にしたい「価値観」があります。
どんな相手からでも、人は学べるということです。
【自問⑥】
自分にとって、仕事をしていく上で大切にしたいことは何か?
そもそもどうしてこの仕事をやりたいと思ったのかという原点から、好きな仕事、嫌いな仕事、尊敬する人、反面教師と、いろいろなことを振り返ってきました。あなたが仕事をしていく上で大切にしたいことを、思いつく限り書き出してみます。
【自問⑦】
どんな職場をつくりたいのか? その職場には、誰がいて、どんな表情で、どんなことを言っているのか? その職場は周りの人たちにどんなふうに映っているだろうか? 理想の職場を見て、自分自身はどんな気持ちになるだろうか?
スティーブン・R・コヴィー曰く「成功は2回作られる」そうです。
1回はあなたの心の中で、もう1回は現実のものとして。
あなたがつくりたい理想の職場はどんな職場ですか?
思い浮かんだまま、自由に書き出してみます。
いかがでしたか?
①〜⑦まで書き出し終えたら、内容を読み返して、特に大事にしたい言葉に○印をつけてみます。
そして、それらの言葉を使いながら、「リーダーとして自分はどんな職場をつくりたいのか?=どういう船にしたいのか?」「みんなでどこへ向かいたいのか?=目指す港はどこなのか?」「それはなぜなのか?=なぜそのような航海をしたいのか?」を、日常のさまざまな場面で職場の仲間たちに発信してみます。
そして、仲間たちが「この船に乗りたい」という共感の反応を見せるのか、「この船には乗りたくない」という拒否の反応を見せるのか――彼らのリアクションを見ながら想いを固めていき、あなたの想いと仲間の想いが重なる部分を探しておくのです。
まずは、これがステップ1となります。
~以上、本文からの抜粋です。~
日常のさまざまな場面で職場の仲間たちに発信し、仲間たちのリアクションを見ながら想いを固めていき、あなたの想いと仲間の想いが重なる部分を探していく――。
そうやって、「自分の想い」と「仲間達の想い」を重ねていくことが大切なのですね。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。
今日も、皆様にとって良い1日でありますように。
※冒頭の写真は下記からお借りしました。いつもありがとうございます!
『職場を幸せにするメガネ~アドラーに学ぶ勇気づけのマネジメント~』
(小林嘉男著)
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