「人に優しく、仕事に厳しく」の経理部でありたい
『職場を幸せにするメガネ』の著者である、小林嘉男さんの職場では、「人に優しく、仕事に厳しく」の姿勢でメンバーが仕事に臨んでいるそうです。その具体的なようすを、『職場を幸せにするメガネ』の本文から抜粋する形でお伝えします。
~以下、本文より抜粋です。~
私たちの部署では、部会などを通じて、こんなスローガンを共有しています。
「経理部品質」
「経理部プライド」
ピンとこられた方、そのとおりです。
テレビドラマにもなった池井戸潤さんの『下町ロケット』に登場する佃製作所が掲げた「佃品質」「佃プライド」をヒントに作成したスローガンです。
私たちは、自分たちの成果物にプライドとこだわりを持って仕事をしています。
楽しい雰囲気は大切ですが、楽しむことが目的ではありません。経理部として付加価値を発揮し、関係者すべてに貢献していくことが目的です。
だからこそ、成果物に問題があったとき、それに関わったスタッフのことは一切責めません。なぜなら、責める必要などまったくないからです。関わった当事者がいちばん悔しいからです。
そして、当事者を責める代わりに、私は「自分たちの品質レベルがこの程度でいいのか?」「自分たちのプライドはこんなものなのか?」を皆に問いかけるようにしています。
「人に優しく、仕事に厳しく」
これが、経理部スタイルなのです。
こんなふうに私たちの経理部は、部員一人ひとりが自分らしく仕事をし、お互いに笑顔で協力し合い、個人としてもチームとしても素晴らしい結果を出し続けています。
実は、この原稿を書いている最中にも、私たちの経理部は厳しい状況に立たされてしまいました。長年私と共に職場をつくってきたチームリーダー2人と主力メンバーの1人が海外に赴任してしまったからです。野球に例えれば、クリーンナップを打つ3番、4番、5番が一気に抜けてしまった状態です。
それでも、私たちは日々行われる試合に勝たなければなりません。
そのような状況の下、メンバー一人ひとりが自主的に精力的に今まで以上に頑張ってくれています。
なかでも人一倍頑張っている若手スタッフがいます。
ある日の個別面談で、私は彼に感謝の言葉を告げました。そして、彼に質問をしました。
「すっごく頑張ってくれて嬉しいけど、どうしてこんなに頑張れるの?」
「頑張れる源は何?」
彼は照れながらもしっかりとした口調で次のように答えてくれました。
「自分は、経理部が大好きなんです。経理部の雰囲気も一緒に働く仲間も。その経理部をつくってくれているのが小林さんじゃないですか。この雰囲気をつくってくれているのも小林さんじゃないですか。だから、小林さんに恩返しがしたいんです。大好きな経理部に貢献したいんです」
私の目は真っ赤になり、「ありがとう」「一緒に頑張ろう」と言うのが精いっぱいでした。
「これが組織の成功循環サイクルのグッドサイクルが回っている状態、メンバー一人ひとりが共同体感覚を持てている状態なんだ」――私はあらためて実感しました。
新生経理部はまだまだ道半ばですが、さらに素晴らしい職場になると確信しています。
~以上、本文からの抜粋です。~
一人ひとりが自分らしく仕事をし、お互いに笑顔で協力し合い、個人としてもチームとしても素晴らしい結果を出し続ける――――そんな職場が、日本中でさらに増えることを願っています。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。
今日も、皆様にとって良い1日でありますように。
『職場を幸せにするメガネ~アドラーに学ぶ勇気づけのマネジメント~』
(小林嘉男著)
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