【まる出版blog】自分にも、他人にも、ダメ出しせずに生きるには?

『うまくなる技術』『職場を幸せにするメガネ』などの発行元、まる出版のブログです。

「相互理解の場」をつくる、職場での仕組みづくり

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信頼関係を構築するには相互理解の推進が必要です。そのためにはコミュニケーションを取る機会を仕組み化することが肝心です。上司がいくら「コミュニケーションは大切だ」と声高に叫び続けても、状況は変わらないからです。

そこで今回も『職場を幸せにするメガネ』の本文から抜粋する形で、相互理解をつくる仕組みについてお伝えします。

 

~以下、本文より抜粋です。~

 

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経理部で設けている相互理解の場は、上の表のとおりです。

 

この中からいくつかピックアップし、特徴についてご説明します。

 

《相互理解の場①/朝礼》

 

朝礼は、私からの挨拶で始まります。単なる報告事項ではなく、その時その時の状況に合わせて部員にメッセージを送るようにしています。せっかく部員全員が集まる貴重な場を、単なる報告で終わらせたくないからです。

 

その後、部員同士でペアを組み、経理部スタイルの20の言葉をテーマにコミュニケーションを図ります。最後は、指名された部員が音頭をとって円陣を組み、それぞれのチームの朝礼へと分かれます。

 

経理部は精算業務なども行っているため、銀行の窓口のようにカウンターがあり、カウンター越しに経理部の中が見えるようになっています。

 

経理部の前を通りかかり、カウンター越しに経理部の円陣の風景を見た社員は、たいてい驚いて二度見していきます。社内でも「経理部の朝礼は変わっている」と評判になっているのです。

 

毎朝全員で集まって、笑顔でスタートする。

これが経理部の朝の儀式です。

 

《相互理解の場②/チームリーダーとの週次面談》

 

経理部内のチーム運営は、完全にチームリーダーに任せています。その代わり、チームリーダー一人ひとりと週ごとに面談し、運営面の悩みや課題解決をサポートしています。チームリーダーは、裁量が与えられているので自分の思うようにチーム運営ができる分、責任も感じていることと思います。

 

私自身、初めてリーダーになったときに、上司に信頼していただき、自分の裁量でチーム運営ができたことが自分の成長に大きくつながったと思っています。鬼、冷徹人間などと呼ばれる結果になってはしまいましたが、自分で考えて運営してきたからこそ、間違いに気づいたとき、どん底から自分で這い上がってこられたのだと思っています。

 

部下を成長させるには自由に自分で考えて動ける環境を用意することが重要だと、自らの体験から学んだのです。

 

《相互理解の場③/部下全員との個別面談》

 

信頼関係を構築し「関係の質」を強化していく上でベースになるのが、部下一人ひとりとのコミュニケーションだと思っています。

 

ですから、私にとっての最優先事項は部下との個別面談です。毎月のスケジュールは、まず部下との個別面談の枠から押さえていきます。

 

この個別面談の主役は、部下です。そのため、私は部下全員に、「私とのこの時間は好きなように使ってください」と伝えています。部下が話したいことを話していい時間ということです。部下によって話す内容はまちまちです。これも部下の個性だと思っています。

 

この「部下との時間」をどれくらい有効な時間にできるか?――これが上司の手腕だと思っています。

 

ですから、私は私費を投じてコーチングなどのコミュニケーション学を学び続けてきました。正直申し上げて、私が数年で経理部を社内一働きがいのある職場に生まれ変わらせることができたのも、コミュニケーション能力によるところが大きいと思っています。

 

上司が身につけるべきコミュニケーション能力については、正直たくさんあります。ここでは、特に個別面談において「これだけは押さえておきたい」というポイントに絞ってお伝えしたいと思います。

 

「主役は部下」を徹底する

↓部下との個別面談は部下の時間です。部下が今、興味関心を持っていることに、関心を寄せましょう。

 

上司は聞くことに徹する

↓いつの間にか上司が話し込んでいる……そんなことはないでしょうか? 何度も繰り返しますが、部下の興味関心に関心を寄せる時間です。上司自身が話し込まないと心に決めて臨みましょう。

 

余計なアドバイスはしない

↓ついついアドバイスをしたくなりますが、極力部下に考える機会を与えましょう。部下が考えても答えにたどり着かない、これ以上考えさせてもしょうがないところまで我慢しましょう。それが部下が成長する近道です。

 

説教をしない

↓部下のことを考え、良かれと思ってつい説教してしまうことがあります。これも部下の成長を妨げたり、部下の心が上司から離れる原因にもなります。

 

アドラー心理学に「課題の分離」という考え方があります。これは誰の課題なのかということです。例えば、部下の成長を考えたとき、部下に「もっと自己研鑽すべきだ」とアドバイスしたくなります。しかし、自己研鑽するかしないかは部下の課題であって、上司の課題ではないのです。これは、人の家に土足で踏み入れるのに近い行為なのです。

 

では、上司はどうすればよいのでしょうか?

 

何もせず指をくわえて部下が動くのを待つしかないのでしょうか?

そんなことはありません。

 

まず上司が率先して模範を示す姿、自己研鑽する姿を背中で見せることです。

 

みなさんも記憶に残っているはずです。「勉強しなさい」と親から言われることがどれだけうるさいことだったか……。

 

鬼、冷徹人間と言われていた頃の私は、これをやってしまったのです。ダメ出しをするだけでなく、「もっと勉強すべきだ」と毎回のように説教していたのです。どれほど嫌な上司だったか、当時を思い出すと自分でもぞっとします。

 

《相互理解の場④/部会》

 

皆さんの職場は、部員全員が一堂に会する場をお持ちでしょうか? 職場の規模にもよりますが、ある程度の規模になると全員が集まる機会はなかなかつくれず、とても貴重な時間になってきます。

 

皆さんは、この貴重な時間をどのように使っているでしょうか?

単なる報告事項の伝達だけで終わらせていないでしょうか?

 

全員が集う機会だからこそ、上司である自分の想いを伝えたり、部下の頑張りにねぎらいの言葉をかけたり、ときに叱咤激励をしたりと、直接部下に働きかける時間として活用したいものです。

 

私は、毎月の部会を利用して、毎回何かしら部員全員にメッセージを投げかけています。毎回セミナーを開催しているようなイメージです。セミナーとはいかないまでも、何かしら上司としての想いや、なぜこれらのことに取り組むのか「Why?」の部分を大切にして語り続けてほしいのです。

 

~以上、本文からの抜粋です。~

 

毎朝、毎週、毎月……といったルールを設け、部下とのコミュニケーションを最優先事項として時間を割くことが大事なのですね。

 

 

最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。

 

 

今日も、皆様にとって良い1日でありますように。

 

 

 

 

 

『職場を幸せにするメガネ~アドラーに学ぶ勇気づけのマネジメント~』

(小林嘉男著)

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