“デキる上司”ほど部下にダメ出しをするのはなぜか?
なぜ上司は部下にダメ出しをしてしまうのか? ダメ出しをせずに部下と良い関係を築くにはどうすれば良いのか? 今回も『職場を幸せにするメガネ』の本文から抜粋する形で解説します。
~以下、本文より抜粋です。~
あえて苦手なことやダメなところを
積極的に見せるぐらいのほうが良い
上司には「部下から一目置かれたい」「さすがリーダーと思ってもらいたい」という気持ちが少なからずあります。
特にリーダーになりたての新米上司ほど、その気持ちが強いでしょう。ほとんどのリーダーが、プレイングマネージャーからのスタートになりますから、プレイヤーとしても部下に負けられないという気持ちが、それを助長させます。
その結果、〝デキる上司〞を見せつけたくなることがあります。本人に自覚はないのかもしれませんが、この「見せつけたい」という気持ちが、部下にダメ出しをする要因の一つになっている気がします。
自分自身を振り返ってみても、鬼上司時代の私は、無意識のうちにダメ出しをすることで自分の力を誇示していたのかもしれません。
一方、部下の視点から見れば、仕事がデキる上司であればあるほど、完璧な上司であればあるほど、部下として身構え、萎縮してしまうもの。事あるごとにダメ出しをする上司であれば、なおさらです。
仕事が本当にデキない上司では困ってしまいますが、上司は部下に親近感や安心感を与えるためにも、あえて苦手なことやダメなところを積極的に見せるぐらいのほうが良いのです。部下は、上司の自虐ネタは大歓迎なのです。
「自己研鑽しなさい」と言うよりも、
楽しく自己研鑽している姿を見せる方が良い
私は、よく自分のプライベートの話をします。特に一緒に暮らしているフレンチブルドッグの写真を見せながら、犬の話をします。部内では、すっかり犬好きキャラになっています。また、甘いものがどうしてもやめられない、ポテチがとまらないといったイケてない話もします。
一方で、朝4時に起きて、ジムで走ったり、本を何冊も読んだり、週末はコーチングを学びにスクーリングしていること、プロコーチや研修講師として活動していることなども話します。
部長になっても学び続けている姿勢や好きなことに夢中になっている姿をあえて見せるようにしています。
「自己研鑽しなさい」と言うよりも、楽しく自己研鑽している姿を見せる方が、部下にはちゃんと伝わります。「小林さんのようにイキイキと自分の好きなことに打ち込んで、周りの人に貢献できるように自分もなりたいです」と言ってくれる部下もいます。
経営コンサルタントであり、ビジネス書作家である小倉広さんは『上司は部下より先にパンツを脱げ! リクルートで学び、ベンチャーで試し、社長となって確立した99の仕事術』という本を出されていますが、まさにおっしゃるとおりです。まずは上司から恥ずかしがらずに〝パンツ〞を脱ぐべきです。
上司が個人的なことや失敗談を普段から話していると、部下も自己開示しやすくなります。このような流れで自己開示をしながら相互理解を深めていくことで、部下の上司に対する信頼が構築されていきます。
~以上、本文からの抜粋です。~
〝デキる上司〞としての自分を見せつけたくなる――これが、結果として部下へのダメ出しにつながっていきます。
自分が「学び、挑戦し、成長しようとする姿勢」を見せることで、周りの人は感動し、共感し、応援してくれるのだと思います。
それは、上司―部下の関係にとどまらず、すべての人間関係にあてはまる気がしますね。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。
今日も、皆様にとって良い1日でありますように。
※冒頭の写真は下記からお借りしました。いつもありがとうございます!
『職場を幸せにするメガネ~アドラーに学ぶ勇気づけのマネジメント~』
(小林嘉男著)
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