上司から部下への自己開示――どの機会に、何を話すと良いのか?
『職場を幸せにするメガネ』の著者である小林さんは、「幸せ職場」をつくる上で、重要なステップは次の4つであると考えています。
ステップ3「お互いを知り、信頼関係を構築する」の段階では、聞き方とともに伝え方も重要です。
今回は伝え方の1つである「自己開示」について見ていきましょう。
~以下、本文より抜粋です。~
相手を理解して、初めて理解される
上司が部下に関心を持つのと同時に、上司自身が部下に自己開示していくことも必要です。
ただし、ここで心に留めておきたいのは、上司が部下に関心を持つことが先だということです。上司が部下に関心を示さず、一方的に自分のことを話しても、部下はほとんど話を聞かないでしょう。アドラー心理学の影響を受けたとされるスティーブン・R・コヴィー氏のロングセラー『7つの習慣』の第5の習慣にも「理解してから理解される」とあります。相手に理解してもらいたいと思うなら、まず自分が相手を理解しようとすることから始める――これがコミュニケーションの原理原則なのです。
上司の自己開示は、「どの機会に、何を話すのか」が重要なポイントです。
まずは、どの機会に話すのか、タイミングについてです。
最も避けたいのは、部下との1対1の時間に、上司が自分のことを話し続けてしまうことです。部下との貴重な1対1の時間は、可能な限り部下の話を聞く時間にすべきです。
部下の話そっちのけで上司がずっと自分のことを話し続けると、部下は
(自分中心な人だなあ……。日頃は部下の幸せが大切とか何とか言っているけど、そんなのは結局ポーズでしかないんだな……)
という気持ちになります。
言行一致は、上司に求められる、とても大切な要素です。
では、どのようなタイミングが適しているのでしょうか?
それには、やはり全員がそろう朝礼や部会などの場がいいでしょう。上司が自分の考えを伝えるべきときにはしっかりと伝える、部下の話を聞く時間には集中して聞く。この2つを切り分けたほうがいいからです。
相手の立場に立って自己開示する
次に、何を話すのか、内容についてです。
小さい頃から学校でさんざん言われた、
「相手の立場になって考えなさい」
という言葉。
上司となった今こそ、これを実践するときなのです。
「部下は今、何に興味関心があり、上司である私がどんなメッセージを発信することが彼らにとって効果があるのだろうか」
と、あくまでも「受け手」にとって意味のあることを発信したいのです。
イラスト 森田さやかさん
私には、鬼上司時代の苦い経験があります。自分が良かれと思っていることでも、必ずしも部下が同じように受け止めるとは限らないと痛感しています。
当時の自分は、誰もが自分と同じように、「仕事がデキるようになりたい」「成長したい」と思っていると信じて疑いませんでした。そのため、部下へのメッセージは、「仕事がデキるようになるために何が必要か?」「成長するために何が必要か?」という、自分にとって意味があることに偏っていたのです。
全体ミーティングで毎回のように同じ話をされ、1対1の個別面談でも同じようなことを言われ、さらにダメ出しまでされるのですから、当時の部下はうんざりしていたと思います。にもかかわらず、何度伝えても変化が見えない、反応がない部下に、私は内心イライラしていたのです。そして、「何回言ったらわかるんだ!」「いい加減にしろ!」と心の中で叫んでいました。
「何回言ったらわかるんだ!」――この言葉が出たら危険信号です。
上司がかけているメガネを、部下に一方的に押しつけている可能性があります。
~以上、本文からの抜粋です。~
いかがだったでしょうか?
「相手の立場になって考える」――シンプルですが、良い人間関係を構築するための原点となる、非常に奥の深い言葉ですね。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。
今日も、皆様にとって良い1日でありますように。
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「部下の関心」に関心があるか? 「部下の自分軸」に関心を寄せているか?
『職場を幸せにするメガネ』の著者である小林さんは、「幸せ職場」をつくる上で、重要なステップは次の4つであると考えているそうです。
ステップ3「お互いを知り、信頼関係を構築する」の段階では、お互いを知ることが重要です。では、具体的に何をしていけばよいのでしょうか?
前回の「初級編」
上司は、部下の個人的事情に「関心」を持つべきか? - アドラー心理学を学んで「幸せ職場」をつくりましよう
に引き続き、
今回は「中級編・上級編」です。
~以下、本文より抜粋です。~
■お互いを知るために(中級編)……「部下の関心」に関心を持つ
部下の属性に関心が持てるようになったら、次は部下が関心を持っていること、つまり「部下の関心」に関心を持ちましょう。
部下への表面的な理解を超えて、部下の思考や心の中で何が起こっているのか、そのことに関心を示したいのです。
「部下には小学校に上がる子供がいる」――これが、部下に関心を持つレベルだとします。
さらにその先に意識を向け、
「(部下には小学校に上がる子供がいるが)その子に小学校受験をさせるかどうかで悩んでいる」――という内容でコミュニケーションを取るのが、部下の関心に関心を持つレベルです。
■お互いを知るために(上級編)……部下の「自分軸」に関心を寄せる
部下に関心を持ち、さらに部下の関心に関心を持つ関係が築けたら、その次は「部下がどうなっていきたいのか?」「何を大事にしていきたいのか?」といった部下の自分軸に関心を寄せましょう。
この段階では、部下に寄り添いながら、部下自身が今まで気づいていなかったような、部下にとって大切なものを、部下の内側から引き出していく「コーチング」と呼ばれる関わり方が求められます。
部下の自分軸が明確になり、それを上司が共有することによって、上司と部下の間で目的論的なコミュニケーションが取れるようになります。常に部下の自分軸を念頭に置いたコミュニケーションになり、なぜ上司がこのようなことを言うのか、その理由も伝わりやすくなります。
ただし、「要するに部下に目標を問えばいいのだな」という軽い気持ちで踏み込んではいけません。上司に同じことを聞かれるたびに「目標がないことは悪いことなんだ」と感じて苦しくなり、部下を追い込んでしまう危険性があります。この危険性があるので、上級編なのです。
ここで絶対にやってはいけないのは、次のような関わり方です。
上司「この先どうなりたいと思う?」
部下「それがよくわからないんです」
上司「わからないことはないだろ?」
部下「……」
上司「だからお前はダメなんだ。目標の一つも持てないでどうするんだ。
次回までに考えておきなさい」
これは極端な例ですが、鬼上司時代の私はこれに近いことをしていたと思います。
部下を追い込んでしまう関わり方になってしまうぐらいであれば、自分軸を引き出すコミュニケーションには踏み込まないほうがよいでしょう。
余談ですが、私は時折、プロコーチ資格を持っているのを知った初対面の方に「以前、コーチング研修を受けた上司から質問攻めに遭って……、それ以来コーチングが苦手なんです」といったことを言われることがあります。質問して答えを引き出すという形だけを真似て、いつの間にか尋問になっていることが大きな理由ではないかと思います。
かなり驚かすようなことを書いてしまい、申し訳ありません。
でも、鬼上司時代の私が犯した過ちを、あなたに繰り返してほしくないのです。
ここまで読んで「部下の自分軸を引き出すには、やはり専門的なコミュニケーション技術を身につけなきゃいけないのか……」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、決してそうではありません。
大事なのは「部下に幸せになってほしい」と心から願う気持ち、つまり「愛」です。
技術の巧拙はほとんど関係ありません。
部下への「愛」が根底にあれば、部下を追い込んでしまうことはないのです。
~以上、本文からの抜粋です。~
いかがだったでしょうか?
「相手に関心を持つ」のが初級編。
それができるようになったら、中級編では「相手の関心に関心を持つ」。
そして、上級編では「相手の自分軸に関心を持つ」。
ただし、「部下に幸せになってほしい」と心から願う気持ちが根底になければ、むしろ技術がむしろ部下を追い込むことになります。「愛」と「技術」の両輪を、大切にしたいですね。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。
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上司は、部下の個人的事情に「関心」を持つべきか?
『職場を幸せにするメガネ』の著者である小林さんは、「幸せ職場」をつくる上で、重要なステップは次の4つであると考えているそうです。
このうちのステップ3「お互いを知り、信頼関係を構築する」についての話。お互いを知るために、具体的に何をしていけばよいのでしょうか?
~以下、本文より抜粋です。~
■お互いを知るために(初級編)
部下に「関心」を持つ
まずは、部下に「関心」を持つことから始めましょう。
あなたは部下のことをどれくらい知っているでしょうか?
なかには、年齢すらうろ覚えという方もいるのではないでしょうか?
実際、私がこれまでお世話になった上司のなかにも、部下のことにまったく関心のないように見える上司(少なくとも私にはそう思えました)がいました。部下の年齢、どちらが先輩で後輩か、独身か既婚かも把握していない状態でした。仕事はできる方でしたが、今でも残念に思います。
幸せな職場をつくりたい、部下に幸せになってほしいという思いがあれば、自ずと部下に関心が持てるようになるのではないでしょうか?
とはいえ、そういう思いも少しはあるものの、
「会社であり仕事なのだから、部下の個人的なことは知る必要がない」
「個人的なことを聞いても嫌がられるのではないか」
という考えをお持ちの方もいるでしょう。実際、私もリーダーの職に就いている方から、そのように言われることもあります。
でも、果たして本当でしょうか?
論点①/「会社であり仕事なのだから、部下の個人的なことは知る必要がない」
上司は成果責任を負っているのだから、仕事の進捗と成果に気を留めていれば十分で、部下のプライベートなことは上司には関係ないと考えている方もいるかもしれません。そのように区切りをつけたい方は、恐らく「共同体感覚」の感じられない職場で働いていらっしゃるのかもしれません。
「仕事とプライベート(オンとオフ)を切り替える」と言われますが、働いているときの自分も、職場以外にいるときの自分も、同じ一人の人間です。実際には、切り分けようとしても切り分けることは難しいのです。
「子供が病気で入院した」「親の介護で疲れが溜まっている」など、私たちは職場以外のことも気にかけながら働いています。場合によっては、職場の協力が必要なこともあるでしょう。逆もまた然りです。仕事で嫌なことがあれば、それを引きずったまま家に帰ることもあります。
ですから、上司と部下あるいは同僚同士で、オンオフ両方の状況をお互いに把握している状況のほうが、助け合い、応援し合える職場に近づけるのです。
論点②/「個人的なことを聞いても嫌がられる」
これは、上司がどういう目的、意図で聞いているかによると思います。
まだ信頼関係が構築されていないなかで唐突に個人的なことを根掘り葉堀り聞かれても、聞かれるほうは「何か探られている」あるいは「尋問されている」と感じるかもしれません。
一方、上司と部下の間に信頼関係があり、「自分たちの幸せのために聞いてくれている」と部下が理解していれば、同じことを聞かれても部下は嫌な感じを受けないでしょう。要は、「聞く側の上司がどんな想いを持って部下と向き合っているか?」が、部下に伝わるのだと思います。
ここで絶対に避けたいのは、「操作する」という意識です。本書を読んで「部下の個人的なことを聞くと部下は上司を信頼して言うことを聞くらしい。だったら部下を思い通りに動かすために部下に個人的なことを聞こう」と意図し行動することです。
このような意識は、部下に伝わってしまうものです。プラスになるどころか、逆に信頼関係から遠ざかる結果になります。
青臭いと笑う方もいらっしゃるかもしれませんが、リーダーに最も必要なことは「愛」だ、と私は思っています。一緒に働く人たちに幸せになってほしいという気持ち――それが愛です。
マザー・テレサは言いました。
「愛の反対は、憎しみではなく、無関心です」
そうであるならば、「愛」とはすなわち関心を持つこと。私たちリーダーは、部下に関心を持つことから始めたいものです。まずは、部下のこれまでの学歴や経歴、能力、家庭環境など、いわゆる部下の属性に関心を持つところから始めると関わりやすいでしょう。
~以上、本文からの抜粋です。~
いかがだったでしょうか?
「愛の反対は、憎しみではなく、無関心」という言葉は、上司―部下の関係に限らず、すべての人間関係にあてはまることだと思います。心に留めたいですね。
次回は「お互いを知るために(中級・上級編)」を投稿させていただきます。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。
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部下が「この上司なら」と信頼できる状態を、まずは目指す
『職場を幸せにするメガネ』の著者である小林さんは、「幸せ職場」をつくる上で、重要なステップは次の4つであると考えているそうです。
今回は、ステップ3「お互いを知り、信頼関係を構築する」についての話です。
~以下、本文より抜粋です。~
【「聞く」「伝える」「フィードバック」で、共同体感覚を強める】
仲間のことをよく知らないまま、全員が黙々と配置につき、船が出航する――。そんな船には乗りたくないですよね?
職場も同じです。
配置表に基づいて自分の配置につき、朝から晩まで誰ともひと言も話さず、黙々と、日々、自分のやるべき役割だけをこなして帰る――。そんな職場には誰も行きたくないですよね? それでは、機械の一部と同じ。想いや個性を持った人間が集い、働く意味が感じられません。そんな職場で、日々ワクワクとやりがいを持って働けるはずがありません。
私は、「仲間」という言葉が大好きでよく使います。同じ職場で働く人たちのことを、仲間だと思っているからです。お互いを知り、信頼関係を構築していく。このステップがあるからこそ、キム教授が言うところの「関係の質」が高まり、組織の成功循環システムのグッドサイクルが回り始めるのです。
組織の「結果の質」を左右するのが「関係の質」であることは以前述べたとおりです
(くわしくは下記の記事をご覧になってください)。
このステップ3は、「関係の質」に直結する大切なステップです。マネジメントの成否の大部分を握っていると言っても過言ではありません。
そこで、
「聞く」
「伝える」
「フィードバックする」
の3つに分けて、それぞれ説明していきたいと思います。
まずは「聞く」に関してです。
【部下が上司に対して「共同体感覚」を持てる状態をつくるように聞く】
では、まず何から取りかかればよいのでしょうか?
チームビルディングという言葉があるように、「職場をつくる」という言葉からチーム全体に働きかけていくイメージを連想する方が多いと思います。
けれども私は、上司と部下一人ひとりとのコミュニケーションが「幸せ職場」をつくる最もベーシックなものだと考えています。
「幸せ職場」とは、結局のところ「幸せな部下の集合体」であるからです。
まずは部下の一人ひとりが職場で最も影響力のある上司との関係性において「共同体感覚」が持てる状態、つまり、
「上司を前にしても自分のことが好きと言える」(自己受容)
「上司のことが信頼できる」(他者信頼)
「自分はチームに必要な存在だと思える」(他者貢献)
の状態をつくっていくことが、最初に取り組むべき一歩です。部下一人ひとりが人生の主人公として光り輝くことを応援するのです。
【部下が上司を信頼できる関係を築く】
共同体感覚のなかでも、中心となるのは「信頼」です。部下が「この上司なら」と信頼できる状態を、まずは目指しましょう。
そのために必要なこと、それは「お互いを知る」ということです。
「上司はどんな考えを持っている人なのか?」
「自分たちに何を期待しているのか?」
「自分たちのことをどう思っているのか?」
――そういったことを理解しているから、
部下は上司を信頼できます。また、「上司は自分のことを理解してくれている」、あるいは「少なくとも理解しようとしてくれている」――そう思えるから信頼できるわけです。
~以上、本文からの抜粋です。~
いかがだったでしょうか?
次回も「聞く」「伝える」「フィードバックする」の3つの最初である「聞く」について引き続き触れていきます。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。
今日も、皆様にとって良い1日でありますように。
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行動指針(行動、活動の拠りどころとなるもの)は存在しているか?
小林さんは、「組織の共同体感覚を強めていくためのステップ」として、
- ミッション(使命:自分たちの存在意義)
- ビジョン(展望:将来のなりたい姿)
- バリューズ(価値観:在り方、大切にしたいこと)
- 行動指針(行動、活動の拠りどころとなるもの)
をつくることの重要性を説いています。
今回は、このうちの4つめ「行動指針」についての話です。
~以下、本文より抜粋です。~
【行動指針を作成する上でのポイント】
「従業員の行動、活動の拠りどころ」となるのが、行動指針です。
行動指針によって従業員の行動が変わっていかなければ、作成しても意味がありません。
さまざまな企業の行動指針を見てみると、あまりにも詳細に書き過ぎていて、結局、何を大切にして行動していけばいいのかわからず、具体的な行動変容にはつながらないだろうなと感じるものが多々あります。
ここでもわかりやすいのが、ソフトバンクの行動指針です。
前回ご紹介したバリューズ(http://maru-pub.hatenablog.com/entry/2017/11/17/115702)が、行動指針としっかりリンクしているのです。
・やる以上は圧倒的No.1
・失敗を恐れず高い壁に挑み続ける
・登る山を決め、どう行動するか逆算で決める
・スピードは価値。早い行動は早い成果を生む
・言い訳しない、脳がちぎれるほど考え、とことんやり抜く
ご自身が同社の社員であったらどうでしょうか?
非常にわかりやすく、日常の行動に反映させやすいのではないでしょうか?
しかも、口に出して言いたくなるキャッチーな表現ですよね。こんなふうに使いやすい表現は、「そのやり方でNo.1になれると思う?」など、職場で日常的に使われる〝共通言語〞になっていくのです。
行動の指針ですから、文字どおりこれをベースにみんなの行動を変えていきたいわけです。そのためには、全員が合言葉として日常的に口に出して言いたくなる、キャッチーな表現にこだわることが大切です。
その点では、ミッションも、ビジョンも、バリューズも同じです。ただ作っただけでは何も変わりません。どのように運用するか、作成の段階からイメージして臨みたいのです。
【ミッション、ビジョン、バリューズ、行動指針を作る上でのポイント】
では最後に、これらを策定する上でのポイントをあらためて整理しておきましょう。
①リーダーの想い、部下の想いを取り入れて、全員で作る。
②使う言葉の抽象度を意識的に使い分ける。
③策定後の展開まで考えて作る。
④従業員が口に出して言いたくなるようなキャッチーな表現を取り入れる。
それが職場の“共通言語”になっていく。
~以上、本文からの抜粋です。~
いかがだったでしょうか?
今回は「行動指針の作る上でのポイント」と「ミッション、ビジョン、バリューズ、行動指針を作る上でのポイントのおさらい」でした。
何度も書いてしまいますが、「絵に描いた餅」ではなく、日常使いが出来て、しかも効果を発揮する言葉でなければ、作っても意味がないのですね。
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バリューズ(価値観:在り方、大切にしたいこと)が組織の共同体感覚を強めるカギ
『職場を幸せにするメガネ』の著者である小林さんは、「組織の共同体感覚を強めていくためのステップ」として、
- ミッション(使命:自分たちの存在意義)
- ビジョン(展望:将来のなりたい姿)
- バリューズ(価値観:在り方、大切にしたいこと)
- 行動指針(行動、活動の拠りどころとなるもの)
をつくることの重要性を説いています。
今回は、このうちの3つめ「バリューズ」についての話です。小林さんいわく「『幸せ職場』をつくる上で、とても重要な役割を担っているのがバリューズ」なのだそうです。
~以下、本文より抜粋です。~
【バリューズを作成する上でのポイント】
「企業、組織が大切にしたい価値観」、それがバリューズです。
このバリューズに関して、私たちの経理部では「経理部スタイル」という呼称を用いています。
私たちの経理部では「経理部スタイル」が職場マネジメントの中心にあります。「幸せ職場」をつくる上で、とても重要な役割を担っているのがバリューズなのです。
さまざまな企業の事例を見ると、バリューズをビジョンの中に盛り込んでしまう例も少なくありません。
けれども、実際のマネジメントで機能し、職場の仲間にもわかりやすいので、ビジョンの中に含めてしまうのではなく、バリューズを独立して作成したほうがよいでしょう。
「ミッション」の回でも例に挙げさせてもらいましたが、好例として再びソフトバンクの内容を紹介しましょう。
<ソフトバンクバリュー>
「努力って、楽しい。」
No.1 挑戦 逆算 スピード 執念
【バリューズを具体的に浸透させるための仕組み】
私が仕組みとして最も工夫をしているのが、バリューズの浸透です。
私たちは、バリューズではなく、「経理部スタイル」と名づけています。
経理部スタイルは、「感謝」「寛容」「楽しむ」「Yes, and」「報連相」「スピーディー」「正確」など、全部で20の言葉で構成されています。この言葉は、「自分たちが大事にしたい価値観って何だろう?」とみんなで考え、みんなで出し合い、みんなで選んだものです。
20の言葉は、私たちにとって大切なものばかりです。
そして、私は「一日の中で特に大切にしたい言葉を自分自身で毎朝一つ選び、その言葉を胸に仕事を始める」という仕組みをつくったのです。
例えば、「今日は一年でいちばん忙しい日だけれど、だからこそ『楽しむ』という価値を忘れずにいよう」と思った人は、「楽しむ」という言葉を選ぶわけです。
「バリューズ=経理部スタイル」の浸透活動は、①〜⑥のような仕組みで行っています。
①20の言葉は、プラスチックのネームケースに入る大きさでラミネート加工し、ネームケースに差し込んで身に着けられる状態で保管しています。
②そして、毎朝一人ひとりが、その日大切にしたい言葉を選びネームプレートに差し込みます。
③毎朝の朝礼時間に部員同士でペアを組み、自分の選んだ言葉について対話をする時間を設けています。これによって、バリューズの浸透と部員同士のコミュニケーションの活性化の両方を推進することができるからです。
④毎月チームごとに最も「経理部スタイル」を体現していたメンバーを「ベスト・オブ・スタイル」として選出し、部会で発表しています。
チーム全員のなかから選出されるわけですから、「幸福の3条件」の「自分はチームに役に立っている実感(他者貢献)」と「自分を選んでくれた同僚に対する感謝(他者信頼)」が高まり、「そんな自分にOKが出せる気持ち(自己受容)」も上昇していくのです。
⑤各チームから「ベスト・オブ・スタイル」に選出されたメンバーと私で、「BOSランチ」(「ベスト・オブ・スタイル」を略したBOSと「上司」のBOSSとの掛け言葉)と称してランチを食べることにしています。選出されたメンバーは、もちろん招待です。このランチタイムも、職場の関係の質を上げていくのに効果を発揮しています。
⑥経理部では、毎月11日を「感謝の日」に制定しています。これは、2011年3月11日、東日本大震災の翌月から始めたことです。毎月11日は、全員が20の言葉の中から「感謝」を選んで身に着けます。「こうして全員無事に集い、仕事ができることに感謝をしよう。自分の身の回りのことに感謝する気持ちを忘れないようにしよう」という想いを込めて始めた仕組みです。感謝の日の仕組みも、職場の結束力を高める原動力となっています。
①~③「朝礼」
20の言葉から毎朝一つ選んでネームプレートに差し、朝礼時に自分の選んだ言葉について対話します。
④~⑤「BOSランチ」
「ベスト・オブ・スタイル」に選出されたメンバーと共にランチ。仕事の話は極力せず、近況などを話します。
⑥「感謝の日」
東日本大震災の翌月から開始。毎月11日は、経理部の部員全員が20 の言葉の中から「感謝」を選んで身に着けます。
~以上、本文からの抜粋です。~
いかがだったでしょうか?
バリューズは、小林さんの部署がもっとも大切にしているものの1つです。ただ単に考えるだけではなく、具体的に浸透させるための仕組みとセットで考え、実行する必要がありますね。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。
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ビジョンは、最終的にアクションにまで落とし込まなければ「絵に描いた餅」になってしまう
『職場を幸せにするメガネ』の著者である小林さんは、「組織の共同体感覚を強めていくためのステップ」として、
- ミッション(使命:自分たちの存在意義)
- ビジョン(展望:将来のなりたい姿)
- バリューズ(価値観:在り方、大切にしたいこと)
- 行動指針(行動、活動の拠りどころとなるもの)
をつくることの重要性を説いています。
今回は、このうちの2つめ「ビジョン」についての話です。『職場を幸せにするメガネ』の本文から抜粋します。
~以下、本文より抜粋です。~
【ビジョンを作成する上でのポイント】
「会社や組織がどうありたいか? どうなっていたいか?」を表すものがビジョンです。
ビジョンは、常に追い求める普遍的なものとして表現する場合もあれば、期間を決めて、いつまでにこうなっていたいという策定の仕方もあります。
完成の形は、作り手の意図次第です。
経理部では、部としてのビジョンを作らず、チームごとに3年後のビジョンを策定することにしています。
ミッションで経理部としての方向性を明確にしているので、それを受けてそれぞれのチームで「3年後にどういう状態になっていたいか?」を決め、そのためのアクションプランを策定しています。
ここで留意しておきたいのが、最終的にアクションにまで落とし込まなければ、せっかく作ったビジョンが絵に描いた餅になってしまうということです。
そういう意味でも、活動単位で具体的なビジョンを描くほうが、策定後の活動が展開しやすいと私は思います。
~以上、本文からの抜粋です。~
いかがだったでしょうか?
小林さんの職場では「部としてのビジョンを作らず、チームごとに3年後のビジョンを策定する」という方針でビジョンを策定しているのですね。
「常に追い求める普遍的なものとして表現する場合もあれば、期間を決めて、いつまでにこうなっていたいという策定の仕方もある」ということですので、各職場に合ったビジョン作りができると良いのだと思います。
と同時に、何よりも大事なのは「ビジョンを『絵に描いた餅』にしてしまわないこと」。
バリューズ(価値観:在り方、大切にしたいこと)、行動指針(行動、活動の拠りどころとなるもの)にまで落とし込み、さらには日々の実際の行動につなげてこそ、ビジョンは意味を持つのだと思います。バリューズ、行動指針の作り方のポイントについては、次回以降のブログに書かせていただきます。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。
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ソフトバンクグループのミッション(経営理念)は、とても参考になる!
小林さんは「組織の共同体感覚を強めていくためのステップ」として、
- ミッション(使命:自分たちの存在意義)
- ビジョン(展望:将来のなりたい姿)
- バリューズ(価値観:在り方、大切にしたいこと)
- 行動指針(行動、活動の拠りどころとなるもの)
をつくることの重要性を説いています。
今回は、この中の1つ「ミッション」についての話です。
『職場を幸せにするメガネ』の本文から抜粋します。
~以下、本文より抜粋です。~
【ミッションを作成する上でのポイント】
ミッションとは、「自分たちは何のためにここに集い、どんな役割を果たしていくのか?」という、組織が目指す方向性を示すものです。
ミッションを決める上で重要なのは、方向性を明確にしながらも、どのようにそれを実現していくかは、組織の構成員それぞれが柔軟に考えられるような抽象度に止めておくということです。
【抽象度が低く具体的な例】
「本当に良い服、今までにない新しい価値を持つ服を創造し、世界中のあらゆる人々に、良い服を着る喜び、幸せ、満足を提供します」
これは、あるアパレル企業のミッションの一部です。「服」を通して、社会に貢献していくことが明確です。ここまで明確に謳っていれば、自分たちは何に注力すべきか、すべての従業員に明確に伝わります。
その半面、ここまで具体的に明確に表現すると、「服」以外の手段は選択肢から外れていくことになります。
それを補完するためなのか、同社のミッションには続きがあります。
「独自の企業活動を通じて人々の暮らしの充実に貢献し、社会との調和ある発展を目指します」
これで、「服」以外にも、「人々の暮らしの充実に貢献」することであれば、同社の事業のターゲットになり得ることが従業員にも伝わります。
これは、あくまでも私の憶測ですが、当初は前半の「服」に関するミッションしかなかったものの、「服」を超えて事業を展開させたいという思いが広がり、後半の文章を加えたのではないでしょうか。
企業のステージによって、ミッションも変わってくるということだと思います。
【抽象度が高過ぎる例】
「世界中のすべての人々とビジネスの持つ可能性を最大限に引き出すための支援を
すること」
これは、ある世界的な企業のミッションです。
ビジネスをワールドワイドに展開していくという方向性は明確ですが、表現の抽象度があまりにも高いために、ありとあらゆるものがミッションの対象となり得る可能性があります。あえてこのように抽象度を上げることで、従業員に先入観を持たせず、思考の範囲を広げたいという目的があるのならいいと思います。
けれども、そうでないとすれば、自分たちが何をもって社会に貢献していくのかが、従業員に伝わりにくい可能性があります。
【程よい抽象度の例】
「情報革命で人々を幸せに」
さて、このミッションは、どこの企業でしょうか?
孫正義氏率いる、ソフトバンクグループのミッション(経営理念)です。
何をもって社会に貢献していくのか明確でありながら選択の自由度を残した、参考になるミッションではないでしょうか。
同社のミッション、ビジョン、バリューズ、行動指針は、非常にわかりやすく参考になりますので、同社ホームページのURLを記載しておきます。
http://www.softbank.jp/corp/about/philosophy/
【我が経理部のミッション】
ちなみに、私たち経理部のミッションは次のとおりです。
「数知を探求し、すべての関わりある人を最高の結果に導く」
~以上、本文からの抜粋です。~
いかがだったでしょうか?
「明確さ」と「選択の自由度」のバランスが大切なのですね。
ここに記載したさまざまなミッションの例が、皆様のミッション作成の際の参考になれば幸いです。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。
今日も、皆様にとって良い1日でありますように。
※冒頭の写真は下記からお借りしました。いつもありがとうございます!
『職場を幸せにするメガネ~アドラーに学ぶ勇気づけのマネジメント~』
(小林嘉男著)
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ミッション、ビジョン、バリューズ、行動指針を作ろう
小林さんは、「組織の共同体感覚を強めていくための4つの適切なステップがある」と言います。
そしてステップ1は、
「リーダーとして自分はどんな職場をつくりたいのか?=どういう船にしたいのか?」
「みんなでどこへ向かいたいのか?=目指す港はどこなのか?」
「それはなぜなのか?=なぜそのような航海をしたいのか?」
を、リーダーは日常の場面で少しずつ発信し、共有を図っておく――というものでした。
今回は、ステップ2についての話です。『職場を幸せにするメガネ』の本文から抜粋します。
~以下、本文より抜粋です。~
【ミッション、ビジョン、バリューズ、行動指針をつくろう】
次のステップ2では、組織として大切にするものを具体的な形(ミッション、ビジョン、バリューズ、行動指針)にしていきます。
- ミッション(使命:自分たちの存在意義)
- ビジョン(展望:将来のなりたい姿)
- バリューズ(価値観:在り方、大切にしたいこと)
- 行動指針(行動、活動の拠りどころとなるもの)
これらを作らないまま淡々と仕事を進めるということは、船長が何も言わずに「全員の配置と役割」「一日のスケジュール」「達成すべき数値目標」「守るべきルール」などを書いた紙を配り、「この紙に従うように」とだけ言っている――残念ながら実際に多くの企業で行われていることですが――ようなものです。これでは部下のやる気が出るどころか、一刻も早く船から降りたくなるのも当然です。
そこで、幸せな職場をつくるという観点から、ミッション、ビジョン、バリューズ、行動指針の作成のポイントとなる点をお伝えしていきます。
【上司と部下、全員の意見を反映しながら作っていく】
ステップ1を通じて、リーダーのあなたの想いは、ある程度固まっていることと思います。そして、あなたがどんな想いを持っているのか、部下全員に伝わるように表明していることと思います。
ここまで地ならしができたら、上司と部下、全員の意見を反映しながら作っていきたいところです。
なぜなら、このステップ2は、「組織全体で大切にしたい考え方」「なりたい姿」を決める作業だからです。そして、この作業を通じて「一人ひとりが職場の主人公なのだ」ということを共有したいからです。
ちなみに、「コンサルタントあるいは経営企画室主導で経営理念を作り、それをホームページにのせ、社員にカードを配る」といった形で他の誰かの手に委ねる方法は、どうでしょうか?
たしかに見栄えのいいものはできるのですが、正直おすすめしません。なぜなら、形だけ取り入れても、残念ながら機能しないからです。作ったものに魂を吹き込む作業が必要だからです。
よく「経営理念を作って壁に掛けて満足する」という笑い話のような話を聞きます。けれども、これは笑い話でも何でもなく、多くの企業で実際に起こっていることなのです。
【ミッション、ビジョン、バリューズ、行動指針をつくる5つの基本ステップ】
では、どのように作っていけばいいのでしょうか?
詳しい作り方については、『ビジョナリー・リーダー 自らのビジョンを確立し、組織の成果を最大化する』(北垣武文/ダイヤモンド社)、『ザ・ビジョン 進むべき道は見えているか』(ケン・ブランチャード/ダイヤモンド社)、『ビジョンマッピング やる気を創る技術』(吉田典生/PHP研究所)などの良書があり、詳しい説明がなされていて、とても参考になります。
基本的には、
①リーダーが「日頃、皆さんと話している『この職場で大切にしたいこと』をあらためて言葉にしたい」という旨を説明。
↓
②その上で、リーダーが自分自身で仮作成した、ミッション、ビジョン、バリューズ、行動指針を紙にまとめて提示する。
↓
③提出期限を設け、リーダーの仮作成物をベースに、よりしっくりくる単語、加えたい単語を一人ひとりに考えてもらう。そして、紙に書いて提出してもらう(一部の人の発言が強過ぎる場合は氏名を書かずに出してもらうほうがよい)。
↓
④後日全員で集合。提出された単語をホワイトボードなどに書き出す。そして、検討し、全員で納得できるミッション、ビジョン、バリューズ、行動指針を作り上げていく。
↓
⑤半年、1年など期間を決め、定期的に内容の見直しを行っていく。
という流れになるかと思います。
~以上、本文からの抜粋です。~
- ミッション(使命:自分たちの存在意義)
- ビジョン(展望:将来のなりたい姿)
- バリューズ(価値観:在り方、大切にしたいこと)
- 行動指針(行動、活動の拠りどころとなるもの)
……この4つをつくることが、ステップ2になるのですね。
それぞれを作る上で意識したい点は、後日の投稿で触れていきたいと思います。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。
今日も、皆様にとって良い1日でありますように。
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リーダーのための7つの自問
前回の投稿では、幸せ職場づくりの第1ステップとして「リーダーとしての想いを明確にする」について触れました。そして、そのための具体的な方法として「そのために自問を繰り返す」というところまで書きました。
では、具体的にはどんなことを自問するのでしょうか? 小林さんいわくその項目は全部で7つあり、各質問項目に対する自分の答えを紙に書き出してみるのだそうです。
本文から抜粋し、7つの自問項目を紹介します。
~以下、本文からの抜粋です。~
【自問①】
今の仕事を始めようと思ったきっかけは?
当時どんな想いで仕事をしていたか?
長い間仕事を続けていると、そもそも自分はどうしてこの仕事をしようと思ったのか、原点となる想いを忘れてしまいがちです。
あらためて、どうしてこの仕事をしようと思ったのか、この仕事を通じて何を成し遂げたいと思っていたのか、思い出してみます。
【自問②】
これだけやっていていいのなら給料も要らない
――そう思えるほど好きな仕事は何か? なぜその仕事が好きなのか?
寝食を忘れるぐらい没頭できること、好きなことには、あなたをそこまで引き付ける何かがあるはずです。
【自問③】
今までやってきたなかで、「もうこれだけはやりたくない」と思う仕事は何か?
どうしてその仕事が嫌なのか?
常にポジティブでなければならない、ネガティブな感情は持ってはいけないような風潮を感じることがあります。
人間ですから、誰しもネガティブな感情を持つのは当然のことだと思います。そのネガティブな感情の裏には、本当はこうしたかった、こうありたかったという「肯定的な意図」が含まれているはずです。
ネガティブな感情は、本当は何を大切にしたかったのか、自分自身の大切にしたい「価値観」に気づくヒントにもなるのです。
そのあなたを魅了する「要素」を今のリーダーという役割に組み込んでいけないでしょうか。きっとあなたのマネジメントがパワフルになるに違いありません。
【自問④】
今まで仕事をしてきたなかで尊敬できる人は誰か?
その人のどんなところが尊敬できるのか?
必ずしも一緒に仕事をした人でなくてもいいと思います。坂本龍馬や吉田松陰など歴史上の人物でもいいですし、稲盛和夫さんや孫正義さんなど現在ご活躍中の経営者でもいいでしょう。
その人のどんなところに惹かれるのか、自分が大切にしていきたいことのヒントが見つかります。
【自問⑤】
今まで仕事をしてきたなかで、あんなふうにはなりたくないと思うのは誰か?
その人のどんなところが嫌なのか?
いわゆる「反面教師」と呼ばれるものです。プラスであってもマイナスであっても、感情が動くところには、自分が大切にしたい「価値観」があります。
どんな相手からでも、人は学べるということです。
【自問⑥】
自分にとって、仕事をしていく上で大切にしたいことは何か?
そもそもどうしてこの仕事をやりたいと思ったのかという原点から、好きな仕事、嫌いな仕事、尊敬する人、反面教師と、いろいろなことを振り返ってきました。あなたが仕事をしていく上で大切にしたいことを、思いつく限り書き出してみます。
【自問⑦】
どんな職場をつくりたいのか? その職場には、誰がいて、どんな表情で、どんなことを言っているのか? その職場は周りの人たちにどんなふうに映っているだろうか? 理想の職場を見て、自分自身はどんな気持ちになるだろうか?
スティーブン・R・コヴィー曰く「成功は2回作られる」そうです。
1回はあなたの心の中で、もう1回は現実のものとして。
あなたがつくりたい理想の職場はどんな職場ですか?
思い浮かんだまま、自由に書き出してみます。
いかがでしたか?
①〜⑦まで書き出し終えたら、内容を読み返して、特に大事にしたい言葉に○印をつけてみます。
そして、それらの言葉を使いながら、「リーダーとして自分はどんな職場をつくりたいのか?=どういう船にしたいのか?」「みんなでどこへ向かいたいのか?=目指す港はどこなのか?」「それはなぜなのか?=なぜそのような航海をしたいのか?」を、日常のさまざまな場面で職場の仲間たちに発信してみます。
そして、仲間たちが「この船に乗りたい」という共感の反応を見せるのか、「この船には乗りたくない」という拒否の反応を見せるのか――彼らのリアクションを見ながら想いを固めていき、あなたの想いと仲間の想いが重なる部分を探しておくのです。
まずは、これがステップ1となります。
~以上、本文からの抜粋です。~
日常のさまざまな場面で職場の仲間たちに発信し、仲間たちのリアクションを見ながら想いを固めていき、あなたの想いと仲間の想いが重なる部分を探していく――。
そうやって、「自分の想い」と「仲間達の想い」を重ねていくことが大切なのですね。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。
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「幸せ職場」をつくるために、リーダーはまず何から始めるべきなのか?
これまでの投稿で、アドラー心理学の考え方に触れてきました。
今回からは、小林さんが、どのような考え方・やり方で、「アドラー心理学を職場マネジメントに取り入れているのか?」について触れていきます。
~以下、本文からの抜粋です。~
私たち職場のリーダーは最終的に成果を挙げることを求められるわけですが、アドラー心理学の考え方を通して「部下一人ひとりが共同体感覚を持てる『幸せ職場』をつくること」が成果にもつながるのだと共感いただけたのではないでしょうか。
共同体感覚についての投稿はこちら
それでは、実際どのように幸せな職場をつくっていけばよいのかを考えていきましょう。
私は、組織の共同体感覚を強めていくための適切なステップがあると考えています。
そのステップとは、次ページのとおりです。
本文147ページより
では、これらのステップ1〜4を、どのように具体化すればよいのでしょうか?
私が試行錯誤しながら取り組んできた事例を交えながら、今回はステップ1についてお話ししていきたいと思います。
【「どんな職場をつくりたいのか?」を自問した上で、仲間に発信する】
組織は船に例えられることが多いのですが、そのとおりだと思います。
組織は船、職場のリーダーは船長と同じ役割を果たしているのです。
リーダーは、経済環境の変化、事業存続の危機、上司からの厳しいノルマ、部下の失敗、お客様からのクレーム……挙げきれないほどの困難と言えるような状況に遭遇します。
そういった荒波を乗り越えながら、目指す港まで全員を連れていく責任があります。
では、リーダーが踏むべき最初のステップとは何でしょうか?
それは、
「リーダーとして自分はどんな職場をつくりたいのか?=どういう船にしたいの
か?」
「みんなでどこへ向かいたいのか?=目指す港はどこなのか?」
「それはなぜなのか?=なぜそのような航海をしたいのか?」
こういった部分のイメージを固め、船員たちに伝えることです。
船の乗組員の立場となって考えてみましょう。
「船長は私だ」ということ以外に詳しいことが伝えられないまま、その船に喜んで乗りたいと思うでしょうか?
行き先がどこかもわからずに船が進み続けたら、その船に乗り続けたいと思うでしょうか?
どんな航海をしたいのかを知らないまま船長に「面舵を切れ」「やっぱり取り舵だ」と指図されて、迷いなく全員で力を合わせられるでしょうか?
……乗組員にとって、これほど不安なことはありません。
ですから、まずはあなたの想いを言葉にしてみることから始めるのです。
そして、乗組員にあなたの想いを伝え、「この船に一緒に乗りたい」と思ってもらうことです。
この時点で特に大事にしたいのは、「なぜそのような航海をしたいのか?」の「 ~Why? ~」の部分です。
あなたの掲げる「Why?」に共感するからこそ、乗組員の気持ちがひとつになり、チームとしての一体感を醸成することができるからです。
では、あなたの想いをどのように言葉にしていけばいいのでしょうか?
私は、想いを固めるために、常に自問をしてきました。自問することで、「あ、自分は本当はこんな職場をつくりたかったんだ……。なのに今まで相反することをやってきていた」と、ハッと気づく人も多いのではないでしょうか。
(※自問の内容は、次回の投稿で掲載します)
~以上、本文からの抜粋です。~
この時点で特に大事にしたいのは、「なぜそのような航海をしたいのか?」の「 ~Why? ~」の部分だそうです。
なぜそのような職場でありたいのか?
乗組員(=スタッフ)全員でどのような(航海=仕事)をしたいのか?
新年度に入ったのを機に、考えてみるのもいいのかもしれませんね。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。
今日も、皆様にとって良い1日でありますように。
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プレイングマネージャーほど注意が必要
小林さんはよく、
「私の会社は、小林さんの勤める1000人以上の規模の企業とは違います。もっと小さな小さな会社です。そんな規模の会社では、マネージャーに特化できるわけはありません。プレイヤーとしてやらなければならないことも多いからです。そういう場合は、どのような考え方をすればよいのでしょうか?」
という質問をよく受けるそうです。
それに対して、小林さんはこのように答えているそうです。
~以下、本文より抜粋です。~
私もリーダーになってからしばらくはプレイングマネージャーでしたので、その大変さはよくわかります。まだ年齢的にも若く体力があったから乗り越えられたと思いますが、その当時が今までのキャリアの中でいちばん働いた時期で、肉体的にもつらかった時期でした。そして、その時期のほとんどが鬼上司時代でもありました。
正直なところ、プレイングマネージャーは、注意が必要です。
なぜなら、どうしてもプレイヤーの自分が顔を出してしまうからです。
リーダーとして、部下の成長を見守るという立場よりも、同じプレイヤーとして、「どうしてこんなこともちゃんとできないの」と部下を責めたり、文句の一つも言いたくなってしまいます。
そして、肉体的な負担も大きくストレスフルな状態であるため、寛容さがなくなり、感情的になりやすい状態でもあります。
また、特に対人援助職にありがちなことなのですが、人を援助する自分自身がバーンアウトしてしまう危険性があります。
まずは、上司自身が心身ともに良い状態であることが大切です。
上司が良い状態であるから、部下の心のケアまでできるのです。
ですから、一緒に働く仲間のためにも自分のためにも、上司自身の心と身体のメンテナンスを心がけていただきたいのです。
そして、小所帯でプレイングマネージャーの役割を果たしているリーダーにおすすめしたいのは、そういう状況であっても、「いかにチームの関係の質を向上させていくことに時間を割けるか?」をリーダーとして優先的に考えるということです。
ここに時間を割けるかどうかが分水嶺となります。
「ただでさえ忙しいのに、業務以外のことに時間を割けるわけがない」と思われた方もいらっしゃると思います。まさしくそのとおりだと思います。
そのためにも、今行っている業務を見直すなど、「関係の質」を向上するための時間を捻出するための活動が必要になります。
何かを得ようと思えば、そのためのアクションが必要です。
少し時間はかかりますが、いったん関係の質が向上し、グッドサイクルが回り始めれば、チームのパフォーマンスが上がり、部下の成長意欲も高まっていきます。この流れに乗って、部下に自分の仕事を少しずつ任せていきましょう。部下にとっても、ひとつ上の仕事にチャレンジすることで成長の機会になりますし、リーダー自身がマネージャーとしてやるべきことにさらに時間が割けるようになって、ますますチームのグッドサイクルが回り始めます。
<グッドサイクルについての投稿はコチラ>
~以上、本文からの抜粋です。~
たしかに少し時間はかかると思いますが、グッドサイクルを回し始めることが大事ですね。
そのためには、今行っている何かを思い切ってやめ、そこで生まれた時間を「関係の質」を構築するために費やす必要があるのです。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。
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部下への「ダメ出し」は、必要? それとも不必要?
著者の小林さんが「たくさんの職場リーダーと出合うなかで、必ずと言っていいほど受ける3つの質問がある」という質問。
今回は、その2つめ、
「部下の良い点ばかりに注目すると言うが、ダメ出しが必要な場合もあるのでは?」
について、『職場を幸せにするメガネ』の本文を抜粋しながら紹介していきます。
~以下、本文です。~
Q
悪いところ、できていないところを指摘してはいけないのか?
仕事である以上、できていないところを改善するのは当然ではないのか?
A
ここで申し上げたいのは、部下の悪いところ、できていないところを指摘(以下「ダメ出し」という表現にまとめます)してはいけないということではありません。
ただ、ほとんどの場合、部下にダメ出しをすると、「共同体感覚」が下がり、部下のやる気もダウンし、パフォーマンスも下がっていく危険性が高いのです。
ですから、部下にダメ出しをする場合は、そうならないような配慮が必要です。
では、どのような配慮が必要なのでしょうか?
3つのステップで考えてみましょう。
【ステップ1/本当にダメ出しが必要なのか?】
そもそも本当にダメ出しが必要なのか、再考してみることをおすすめします。人間誰しもダメ出しされることは気持ちのいいことではありません。しなくて済むのなら、可能な限りダメ出しはしないようにしたいものです。
まずは、なぜダメ出しをしようとしているのか、自分に問うてください。リーダーに往々にしてあることは、「自分が部下よりも優れていることを誇示したい」という欲求が生じることです。特に、リーダーになりたての頃は、そのような気持ちが芽生えて当然だと思います。
「リーダーとしての力を示したい」。その気持ちが、本来なら指摘しなくてもいいような些細なことでもダメ出しすることに駆り立ててしまうのです。
鬼と言われた頃の自分自身を振り返ってみても、「部下の成長のため」「より良い成果のため」という大義名分の裏に、自分の能力を誇示したいという気持ちがどこか心の片隅にあったように思います。このダメ出しという行為を、上司の特権のようにしないことが肝心です。
【ステップ2/部下は自己成長にどれだけ意欲的か?】
次に、仕事と向き合う部下の姿勢はどうでしょうか?
自己成長のためにどれだけ意欲的かによって、ダメ出しをどう受け止めるか、受け手側の捉え方が変わってきます。
自己成長に意欲的、貪欲な部下であれば、上司からのダメ出しは、自己の成長の機会として受け止めることができます。
一方、自己成長したいという意欲がそこまでない部下は、「なんで自分がそこまで言われなくてはいけないのか」と、自尊心を傷つけられたように感じてしまったり、自分自身の存在が否定されているかのように受け取ってしまうこともあります。
そのような部下に繰り返しダメ出しすると、上司と仕事を続けることが苦痛になり、他部署に異動したり転職したりチームを離れていくことにつながったりします。
このように自ら動くタイプはまだいいでしょう。上司からのダメ出しが原因で、メンタル不全など体調を崩す部下も現れてきます。
実際、私の鬼上司時代は、離職率が高く、中途入社した部下が1ヵ月で辞めてしまったこともありました。
【ステップ3/部下との信頼関係は構築されているか?】
そして、あなたと部下の信頼関係はどうでしょうか?
たとえ成長意欲が高い部下であっても、ダメ出しというのは、言われた側にとっては気持ちのいいものではありません。
そこで重要になるのが、上司と部下の信頼関係です。
「この上司が言うことなら間違いない」「この上司なら自分の成長のために言ってくれている」と部下が思えるような関係性を築いているでしょうか?
そして、ダメ出しの伝え方も大切です。関係性にあぐらをかいて、受け手に配慮のない、愛のないダメ出しを続けていると、信頼関係が壊れてしまうこともあるからです。相手は心を持った生身の人間なのですから。
【業務上指摘すべきことを伝える際のポイント】
ただし、これまで述べてきたような部下の成長意欲や信頼関係の有無にかかわらず、業務上指摘しなければいけないことも多々あります。
そういう場合は、上述のステップ1〜3の確認に加えて、次のような配慮が必要です。
① 成果物の優れているところから伝える
↓
② この仕事の目的、目指すべきところを再確認する。ここで上司と部下の認識にズレがあるようなら、ゴールを再共有する
(目的・ゴールの認識のズレがミスコミュニケーションの最大の原因の一つだから)
↓
③ その上で 、②の状態に到達するためにさらにできることはないか一緒に考える
↓
④ ③において部下から意見が出てこないようなら、上司の意見として提案する
ここでのポイントは、あくまでも目的を達成するために、さらに改善できることを考えるという、この行為自体の目的をしっかりと認識することです。決して上司が部下にダメ出しをして攻撃することが目的ではないことをしっかりと共有します。
そして、その目的に向かって一緒に考える。つまり、上司と部下の共同作業とするのがいいでしょう。そうすることで、上司は指摘する人、部下は指摘される人という上下の関係から、共により良いものを目指す同志となれるからです。
上司と部下が一枚のキャンバスに向かって、一緒に絵を描いているイメージです。ダメ出しではなく、より良いものを一緒にアイデアを出しながら創っていくイメージです。
本文P132より(イラスト/森田さやかさん)
これをアドラーは、「横の関係」と言いました。
たとえ上司と部下であっても、上司は偉い人、部下は従う人という上下の関係ではなく、お互いに人生の主人公として「横の関係」で関わるということがとても大切なのです。
~以上、本文です。~
ステップ1/本当にダメ出しが必要なのか?
ステップ2/部下は自己成長にどれだけ意欲的か?
ステップ3/部下との信頼関係は構築されているか?
……これらに配慮した上で、ダメ出しするかどうかを決めると良さそうです。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。
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企業である以上、結果や効率は当然必要。社員ひとり一人の幸せを追求して、生産性は本当にアップするのか?
著者の小林さんいわく、
「たくさんの職場リーダーと出合うなかで、必ずと言っていいほど受ける3つの質問がある」
そうです。
その3つとは、
①「企業である以上、結果や効率は当然求められる。それはアップするのか?」
②「部下の良い点ばかりに注目すると言うが、ダメ出しが必要な場合もあるのでは?」
③「部下が幸せになれるのはわかるが、それで上司は幸せになれるのか?」
です。
今回は、①について、『職場を幸せにするメガネ』の本文を抜粋しながら紹介していきます。
~以下、本文からの抜粋です。~
Q.
企業である以上、結果や効率は当然求められる。
それはアップするのか?
A.
以下のとおりです。
リーダーは最終的に成果責任を問われるわけですから、当然の疑問だと思います。
結論から言えば、「部下が幸せな状態」、アドラーが言う「共同体感覚が持てている状態」であれば、成果は間違いなく挙がります。
それは私の部署でも実証されていることです。
ここで、
「それはたまたま小林さんの職場がそうなっただけでは?」
と思われる方もいるかもしれませんね。
どうかご安心ください。マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授の研究でも、幸せな職場が成果に好影響を及ぼすことが証明されているからです。
これを「組織の成功循環サイクル」と言います。
【組織の成功循環サイクルとは?】
本文P121より
キム教授は、
「より大きな成果を挙げたければ、一見遠回りに思えるかもしれないが、職場の関係の質を向上させることに力を入れることが先決である」
と提唱しています。
お互いの信頼関係が増すことで、構成員の思考の質がアップし、それが行動の質、結果の質につながるというものです。
そして、結果が出ることでさらに職場の関係の質が向上し、好循環になるというわけです。この状態を「グッドサイクル」と呼ぶそうです。
このグッドサイクルが回っている状態こそ、共同体感覚が持てている状態と言えます。
一緒に働く職場の仲間が信頼できて(他者信頼)、職場に貢献しようと考えて行動し(他者貢献)、結果的に成果が挙がり、職場のみんなでそれを分かち合う。
そして、そういう職場で働けることが喜び(自己受容)になるわけです。
一方、結果を求めるがあまり、部下のできていないところばかりが目につくようになり、指示、命令、ダメ出ししてしまうとどうなるでしょうか?
職場はギスギスし始め、部下は「ダメ出しされないように、失敗をしないように」と考え行動するようになり、結果がなかなか出なくなります。
この状態を、キム教授は「バッドサイクル」と名づけました。鬼上司時代の私の職場は、まさしくバッドサイクルに陥っていたのだと思います。
【私の職場の成功循環サイクル】
組織の成功循環サイクルについて、私の経理部の事例をお話しします。
私が部長に就任した当時の経理部は、部としてのパフォーマンスがなかなか上がらない状態でした。
少なくとも経営陣を含めた周りからの評価は必ずしも高くない状態でした。
私の前任者は、焦っていたのでしょう。
この状態を打破するために、部下たちに指示、命令、ダメ出しをし続けたのです。
その結果、部の雰囲気はさらに悪化していきました。
多くの部下が上司の顔色を窺うようになっていました。
一生懸命頑張っても評価されない状態にやる気を失くしているスタッフ、体調を崩してしまったスタッフもいました。
私には、前任者の気持ちが痛いほどわかります。
鬼、冷徹人間と言われていた時代の私であれば、同じようなマネジメントをしていたに違いありません。
あるいは、それ以上に厳しいマネジメントをしていたかもしれません。
ただ、多くの部下が自信を失くし(自己受容の低下)、どんよりとした空気が漂うこの部署を何とかするのは、新しくリーダーとなった私の責任です。
そこで、部長になった私が最初に行ったことは、経理部員全員の頑張りをねぎらうことでした。
「残念ながらみんなの頑張りが結果に表れていない。少なくとも周りにはそれが伝わっていないのは、本当に悔しい。この状況を何とかしたい。みんなが頑張ってきたこと、そして結果を出せることは私がいちばんわかっている。みんなで協力して、この状況を変えていこう」
と伝えたのです。
そして、部下一人ひとりと毎月時間を取って対話を続けました。
一人ひとりがどんな想いで仕事に取り組んでいるのか、何を大切にしているのか、今までどんな気持ちで頑張ってきたのか、みんなの声に耳を傾けたのです。
ただ部下からの声を聞くだけでなく、私が何を大切にしていきたいのか、どんな部をつくっていきたいのか、事あるごとに私からのメッセージもみんなに発信し続けました。
このようにして、信頼関係を構築していったのです。
経理部のみんなの表情が明るくなっていくのにそんなに時間はかかりませんでした。
次第にみんなで協力し合うようになっていったのです。
それから3年後。
私たち経理部は、働きがいに力を入れる会社の中で、「最も働きがいのある職場ランキング」1位に輝くことができました。
ただ単に、働きやすい明るい職場になっただけでなく、社内で順位を競う目標管理ランキングにおいても毎年首位になるようなパフォーマンスを発揮するようになったのです。
もはや社内でお荷物的な扱いを受けていた面影は一切ありません。
~以上、本文からの抜粋です。~
一見、遠回りのように思える、「関係の質」からの改善。
でも、いったん「グッドサイクル」が回り出すと、思考の質、行動の質、そして結果の質が上がり、好循環が生まれてきます。
止まっている物を動かすためには、最初に大きな力が必要です。でも、いったん動き出してしまえば、大きな力は必要なくなります。それと似ているのかもしれませんね。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。
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認知のメガネをかけ替えると、職場に何が起きるのか?
「認知のメガネ」をかけ替えると、職場にどんな変化が起きるのでしょうか?
今回も『職場を幸せにする』の本文から抜粋し、著者・小林さん自身の体験を紹介します。
~以下、本文の抜粋です。~
新しいメガネにかけ替えた私は、部下の人生の目的――「部下一人ひとりが本当はどうなりたくて、どんな価値観を大事にしたいのか」――を大切にしながら、一人ひとりと対話を進めていきました。
部下が大切にしたい人生の目的に合わせた、目的論的なマネジメントに切り替えることができたのです。
人は誰でも、自分の大切にしたいことを大切にしてくれる人に好意を抱きます。そして、自分の大切にしたいことを応援してくれるわけですから、上司に対する信頼はより強くなっていきます。
また、ダメ出しの代わりに、自分のできているところ、自分がどれだけチームに貢献しているかを見てくれて、それをフィードバックしてくれるわけですから、部下の「共同体感覚」が強まっていったのです。
ですから、以前の私からダメ出しばかりされて青白い表情をしていた部下が、自己成長に向けて自ら考え行動するようになり、それを私にも報告してくれるようになったのだと思います。
本文P.115より
【メガネを「かけ替える」とは?】
「メガネをかけ替える」とは、モノの見方、考え方を変えるということです。
新しいメガネにかけ替えると、結果的には、自分自身の人格が変わってしまったのではないかと思われるくらいの変化が生まれます。その結果、部下との関係にも大きな変化が現れます。
「人格を変えなさい」と言われると身構えてしまい、難しく捉えてしまいますが、「メガネをかけ替えるだけでいい」と思うと、ずいぶん楽な気持ちで自分自身と向き合えるのではないでしょうか。
職場にもっとも大きな変化をもたらすこと、それは「リーダーが『部下を幸せにする』というメガネをかけること」だと私は思っています。
「メガネ」は、職場マネジメントにおける最重要キーワードなのです。
~以上、本文の抜粋です。~
「人格を変えなさい」と考えると身構えてしまう。
でも、「メガネをかけ替えるだけでいい」と思うと、楽な気持ちで自分自身と向き合える――。
季節の変わり目に、良い意味での“軽いノリ”で、新しい価値観のメガネにかけ替えてみるのもいいかもしれませんね。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。
今日も、皆様にとって良い1日でありますように。
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『職場を幸せにするメガネ~アドラーに学ぶ勇気づけのマネジメント~』
(小林嘉男著)
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