【まる出版blog】自分にも、他人にも、ダメ出しせずに生きるには?

『うまくなる技術』『職場を幸せにするメガネ』などの発行元、まる出版のブログです。

部下への「ダメ出し」は、必要? それとも不必要?

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著者の小林さんが「たくさんの職場リーダーと出合うなかで、必ずと言っていいほど受ける3つの質問がある」という質問。

 

今回は、その2つめ、

「部下の良い点ばかりに注目すると言うが、ダメ出しが必要な場合もあるのでは?」

について、『職場を幸せにするメガネ』の本文を抜粋しながら紹介していきます。

 

~以下、本文です。~

 

いところできていないところを指摘してはいけないのか?

仕事である以上、できていないところを改善するのは当然ではないのか?

 

ここで申し上げたいのは、部下の悪いところ、できていないところを指摘(以下「ダメ出し」という表現にまとめます)してはいけないということではありません。

 

ただ、ほとんどの場合、部下にダメ出しをすると、「共同体感覚」がり、部下のやるもダウンしパフォーマンスもがっていく危険性のです。

 

ですから、部下にダメ出しをする場合は、そうならないような配慮が必要です。

 

では、どのような配慮が必要なのでしょうか? 

つのステップで考えてみましょう。

 

 

【ステップ1/本当にダメ出しが必要なのか?】

 

そもそも本当にダメ出しが必要なのか、再考してみることをおすすめします。人間誰しもダメ出しされることは気持ちのいいことではありません。しなくて済むのなら、可能な限りダメ出しはしないようにしたいものです。

 

まずは、なぜダメ出しをしようとしているのか、自分に問うてください。リーダーに往々にしてあることは、「自分部下よりもれていることを誇示したいという欲求が生じることです。特に、リーダーになりたての頃は、そのような気持ちが芽生えて当然だと思います。

 

「リーダーとしての力を示したい」。その気持ちが、本来なら指摘しなくてもいいような些細なことでもダメ出しすることに駆り立ててしまうのです。

 

鬼と言われた頃の自分自身を振り返ってみても、「部下の成長のため」「より良い成果のため」という大義名分の裏に、自分の能力を誇示したいという気持ちがどこか心の片隅にあったように思います。このダメ出しという行為を、上司の特権のようにしないことが肝心です。

 

 

【ステップ2/部下は自己成長にどれだけ意欲的か?】

 

次に、仕事と向き合う部下の姿勢はどうでしょうか? 

 

自己成長のためにどれだけ意欲的かによって、ダメ出しをどう受け止めるか、受け手側の捉え方が変わってきます。

 

自己成長に意欲的、貪欲な部下であれば、上司からのダメ出しは、自己の成長の機会として受け止めることができます。

 

一方、自己成長したいという意欲がそこまでない部下は、「なんで自分がそこまで言われなくてはいけないのか」と、自尊心を傷つけられたように感じてしまったり、自分自身の存在が否定されているかのように受け取ってしまうこともあります。

 

そのような部下に繰り返しダメ出しすると、上司と仕事を続けることが苦痛になり、他部署に異動したり転職したりチームを離れていくことにつながったりします。

 

このように自ら動くタイプはまだいいでしょう。上司からのダメ出しが原因で、メンタル不全など体調を崩す部下も現れてきます。

 

実際、私の鬼上司時代は、離職率が高く、中途入社した部下が1ヵ月で辞めてしまったこともありました。

 

 

【ステップ3/部下との信頼関係は構築されているか?】

 

そして、あなたと部下の信頼関係はどうでしょうか?

 

たとえ成長意欲が高い部下であっても、ダメ出しというのは、言われた側にとっては気持ちのいいものではありません。

 

そこで重要になるのが、上司と部下の信頼関係です。

 

「この上司が言うことなら間違いない」「この上司なら自分の成長のために言ってくれている」と部下が思えるような関係性を築いているでしょうか?

 

そして、ダメ出しの伝え方も大切です。関係性にあぐらをかいて、受け手に配慮のない、愛のないダメ出しを続けていると、信頼関係が壊れてしまうこともあるからです。相手は心を持った生身の人間なのですから。

 

 

【業務上指摘すべきことを伝える際のポイント】

 

ただし、これまで述べてきたような部下の成長意欲や信頼関係の有無にかかわらず、業務上指摘しなければいけないことも多々あります。

 

そういう場合は、上述のステップ1〜3の確認に加えて、次のような配慮が必要です。

 

① 成果物の優れているところから伝える

② この仕事の目的、目指すべきところを再確認する。ここで上司と部下の認識にズレがあるようなら、ゴールを再共有する

(目的・ゴールの認識のズレがミスコミュニケーションの最大の原因の一つだから)

③ その上で 、②の状態に到達するためにさらにできることはないか一緒に考える

④ ③において部下から意見が出てこないようなら、上司の意見として提案する

 

ここでのポイントは、あくまでも目的を達成するために、さらに改善できることを考えるという、この行為自体の目的をしっかりと認識することです。決して上司が部下にダメ出しをして攻撃することが目的ではないことをしっかりと共有します。

 

そして、その目的に向かって一緒に考える。つまり、上司と部下の共同作業とするのがいいでしょう。そうすることで、上司は指摘する人、部下は指摘される人という上下の関係から、共により良いものを目指す同志となれるからです。

 

上司と部下が一枚のキャンバスに向かって、一緒に絵を描いているイメージです。ダメ出しではなく、より良いものを一緒にアイデアを出しながら創っていくイメージです。

 

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本文P132より(イラスト/森田さやかさん)

 

 

これをアドラーは、「横の関係」と言いました。

 

たとえ上司と部下であっても、上司は偉い人、部下は従う人という上下の関係ではなく、お互いに人生の主人公として「横の関係」で関わるということがとても大切なのです。

 

~以上、本文です。~

 

 

ステップ1/本当にダメ出しが必要なのか?

ステップ2/部下は自己成長にどれだけ意欲的か?

ステップ3/部下との信頼関係は構築されているか?

 

……これらに配慮した上で、ダメ出しするかどうかを決めると良さそうです。

 

 

最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。

 

 

今日も、皆様にとって良い1日でありますように。

 

 

 ※冒頭の写真は下記からお借りしました。いつもありがとうございます!

https://pixabay.com/

 

 

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企業である以上、結果や効率は当然必要。社員ひとり一人の幸せを追求して、生産性は本当にアップするのか?

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著者の小林さんいわく、

「たくさんの職場リーダーと出合うなかで、必ずと言っていいほど受ける3つの質問がある」

そうです。

 

その3つとは、

①「企業である以上、結果や効率は当然求められる。それはアップするのか?」

②「部下の良い点ばかりに注目すると言うが、ダメ出しが必要な場合もあるのでは?」

③「部下が幸せになれるのはわかるが、それで上司は幸せになれるのか?」

です。

 

今回は、①について、『職場を幸せにするメガネ』の本文を抜粋しながら紹介していきます。

 

 

~以下、本文からの抜粋です。~

 

Q.

企業である以上、結果や効率は当然求められる。

それはアップするのか?

 

A.

以下のとおりです。

 

リーダーは最終的に成果責任を問われるわけですから、当然の疑問だと思います。

 

結論から言えば、「部下が幸せな状態」、アドラーが言う「共同体感覚が持てている状態」であれば、成果は間違いなく挙がります

 

それは私の部署でも実証されていることです。

 

ここで、

「それはたまたま小林さんの職場がそうなっただけでは?」

と思われる方もいるかもしれませんね。

 

どうかご安心ください。マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授の研究でも、幸せな職場が成果に好影響を及ぼすことが証明されているからです。

 

これを「組織の成功循環サイクル」と言います。

 

 

【組織の成功循環サイクルとは?】

 

 

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本文P121より

 

キム教授は、

「より大きな成果を挙げたければ、一見遠回りに思えるかもしれないが、職場の関係の質を向上させることに力を入れることが先決である」

と提唱しています。

 

お互いの信頼関係が増すことで、構成員の思考の質がアップし、それが行動の質、結果の質につながるというものです。

 

そして、結果が出ることでさらに職場の関係の質が向上し、好循環になるというわけです。この状態を「グッドサイクル」と呼ぶそうです。

 

このグッドサイクルが回っている状態こそ、共同体感覚が持てている状態と言えます。

 

一緒に働く職場の仲間が信頼できて(他者信頼)、職場に貢献しようと考えて行動し(他者貢献)、結果的に成果が挙がり、職場のみんなでそれを分かち合う。

 

そして、そういう職場で働けることが喜び(自己受容)になるわけです。

 

一方、結果を求めるがあまり、部下のできていないところばかりが目につくようになり、指示、命令、ダメ出ししてしまうとどうなるでしょうか? 

 

職場はギスギスし始め、部下は「ダメ出しされないように、失敗をしないように」と考え行動するようになり、結果がなかなか出なくなります。

 

この状態を、キム教授は「バッドサイクル」と名づけました。鬼上司時代の私の職場は、まさしくバッドサイクルに陥っていたのだと思います。

 

 

【私の職場の成功循環サイクル】

 

組織の成功循環サイクルについて、私の経理部の事例をお話しします。

 

私が部長に就任した当時の経理部は、部としてのパフォーマンスがなかなか上がらない状態でした。

 

少なくとも経営陣を含めた周りからの評価は必ずしも高くない状態でした。

 

私の前任者は、焦っていたのでしょう。

 

この状態を打破するために、部下たちに指示、命令、ダメ出しをし続けたのです。

 

その結果、部の雰囲気はさらに悪化していきました。

 

多くの部下が上司の顔色を窺うようになっていました。

 

一生懸命頑張っても評価されない状態にやる気を失くしているスタッフ、体調を崩してしまったスタッフもいました。

 

私には、前任者の気持ちが痛いほどわかります。

 

鬼、冷徹人間と言われていた時代の私であれば、同じようなマネジメントをしていたに違いありません。

 

あるいは、それ以上に厳しいマネジメントをしていたかもしれません。

 

ただ、多くの部下が自信を失くし(自己受容の低下)、どんよりとした空気が漂うこの部署を何とかするのは、新しくリーダーとなった私の責任です。

 

そこで、部長になった私が最初に行ったことは、経理部員全員の頑張りをねぎらうことでした。

 

「残念ながらみんなの頑張りが結果に表れていない。少なくとも周りにはそれが伝わっていないのは、本当に悔しい。この状況を何とかしたい。みんなが頑張ってきたこと、そして結果を出せることは私がいちばんわかっている。みんなで協力して、この状況を変えていこう」

と伝えたのです。

 

そして、部下一人ひとりと毎月時間を取って対話を続けました。

 

一人ひとりがどんな想いで仕事に取り組んでいるのか、何を大切にしているのか、今までどんな気持ちで頑張ってきたのか、みんなの声に耳を傾けたのです。

 

ただ部下からの声を聞くだけでなく、私が何を大切にしていきたいのか、どんな部をつくっていきたいのか、事あるごとに私からのメッセージもみんなに発信し続けました。

 

このようにして、信頼関係を構築していったのです。

 

経理部のみんなの表情が明るくなっていくのにそんなに時間はかかりませんでした。

 

次第にみんなで協力し合うようになっていったのです。

 

それから3年後。

 

私たち経理部は、働きがいに力を入れる会社の中で、「最も働きがいのある職場ランキング」1位に輝くことができました。

 

ただ単に、働きやすい明るい職場になっただけでなく、社内で順位を競う目標管理ランキングにおいても毎年首位になるようなパフォーマンスを発揮するようになったのです。

 

もはや社内でお荷物的な扱いを受けていた面影は一切ありません。

 

 

~以上、本文からの抜粋です。~

 

 

一見、遠回りのように思える、「関係の質」からの改善。

 

でも、いったん「グッドサイクル」が回り出すと、思考の質、行動の質、そして結果の質が上がり、好循環が生まれてきます。

 

止まっている物を動かすためには、最初に大きな力が必要です。でも、いったん動き出してしまえば、大きな力は必要なくなります。それと似ているのかもしれませんね。

 

 

最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。

 

 

今日も、皆様にとって良い1日でありますように。

 

 

 ※冒頭の写真は下記からお借りしました。いつもありがとうございます!

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認知のメガネをかけ替えると、職場に何が起きるのか?

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「認知のメガネ」をかけ替えると、職場にどんな変化が起きるのでしょうか? 

 

今回も『職場を幸せにする』の本文から抜粋し、著者・小林さん自身の体験を紹介します。

 

 

~以下、本文の抜粋です。~

 

新しいメガネにかけ替えた私は、部下人生目的――「部下一人ひとりが本当はどうなりたくてどんな価値観大事にしたいのか――を大切にしながら、一人ひとりと対話を進めていきました。

 

部下が大切にしたい人生の目的に合わせた、目的論的なマネジメントに切り替えることができたのです。

 

人は誰でも、自分の大切にしたいことを大切にしてくれる人に好意を抱きます。そして、自分の大切にしたいことを応援してくれるわけですから、上司にする信頼はよりくなっていきます

 

また、ダメ出しの代わりに、自分のできているところ、自分がどれだけチームに貢献しているかを見てくれて、それをフィードバックしてくれるわけですから、部下の「共同体感覚」が強まっていったのです。

 

ですから、以前の私からダメ出しばかりされて青白い表情をしていた部下が、自己成長けて行動するようになりそれをにも報告してくれるようになったのだと思います。 

 

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本文P.115より

 

【メガネを「かけ替える」とは?】

 

「メガネをかけ替える」とは、モノの見方、考え方を変えるということです。

 

新しいメガネにかけ替えると、結果的には、自分自身人格わってしまったのではないかとわれるくらいの変化が生まれます。その結果、部下との関係にもきな変化が現れます。

 

「人格を変えなさい」と言われると身構えてしまい、難しく捉えてしまいますが、メガネをかけえるだけでいいと思うと、ずいぶん楽な気持ちで自分自身と向き合えるのではないでしょうか。

 

職場にもっとも大きな変化をもたらすこと、それは「リーダーが『部下を幸せにする』というメガネをかけること」だと私は思っています。

 

「メガネ」は、職場マネジメントにおける最重要キーワードなのです。

 

~以上、本文の抜粋です。~

 

 

「人格を変えなさい」と考えると身構えてしまう。

でも、メガネをかけえるだけでいいと思うと、楽な気持ちで自分自身と向き合える――。

 

季節の変わり目に、良い意味での“軽いノリ”で、新しい価値観のメガネにかけ替えてみるのもいいかもしれませんね。

 

 

最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。

 

 

今日も、皆様にとって良い1日でありますように。

 

 

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「褒める」ほうがいい? 「叱る」ほうがいい? ~勇気づけとは何か?~

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今回は、アドラー心理学の考え方の1つである「勇気づけ」についてです。

『職場を幸せにするメガネ』の本文を抜粋しながら展開していきます。

 

 

~以下、本文より。~

 

勇気づけという言葉の「勇気」の語源は、ドイツ語の「Mut(ムート)」だそうです。人間の体の内側からムクムクと熱く湧き上がるもの、といった意味があるそうです。

 

アドラーの言葉を使って「勇気づけとは何か?」を説明すれば、「共同体感覚を強める働きかけ」のことです。

 

↓共同体感覚についてはこちらをご覧になってください

maru-pub.hatenablog.com

 

あなたが部下に何かしらコミュニケーションを取ったとします。そのコミュニケーションで部下の内側から湧き上がるものがあり、その結果として部下の共同体感覚が強まれば、それが勇気づけなのです。

 

 

【褒めるも叱るも勇気くじき】

 

最近よく巷で聞くのが、「褒める」ほうがいいのか、「叱る」ほうがいいのか、いわゆる「褒めるVS 叱る」論争です。これらをテーマにした本もよく見かけます。

 

アドラー心理学では、

「褒める」も「叱る」も「勇気くじき」

になる可能性がある、と考えます。

 

「どちらの行為がより良いのか?」とは考えません。

褒めても、叱っても、受け取る側の「共同体感覚」が強まれば「勇気づけ」、「共同体感覚」が弱まれば「勇気くじき」なのです。

 

 

【叱られるほうが、一般的には共同体感覚が弱まりやすいが……】

 

ただし……という注釈付きで、この話を続けさせていただきますね。

 

ただし、一般的には「叱られる、ダメ出しされる」ほうが「共同体感覚」は弱まる危険性が高いのです。

 

言われたことに少しでも納得がいかなかったり、理不尽に感じてしまうと、「人は信頼できる(他者信頼)」の度合いが下がりますし、仮にダメ出しされたことが正論であったとしても、そのことで自分に対する自信がなくなってしまえば、「自分が好き(自己受容)」の度合いが下がってしまうからです。

 

 

【でも、褒める際にも注意が必要】

 

……と、こんなふうに書くと、「ほら、やっぱりそうじゃないか! だから褒めるほうがいいんだよ」というのが最近の論調です。

 

だからといって、「褒めておけば間違いない」というわけではありません。褒めることも注意が必要なのです。

 

なぜならば、「褒めて部下を動かそう、褒めて部下をその気にさせよう」などと操作的に「褒める」行為を使おうとすると、褒められる側には、それが伝わってしまうからです。

 

力で押さえ込もうとされるよりはまだマシと感じれば、部下は黙って動くかもしれません。けれども、自発的なやる気につながらないことが多いのです。

 

また、たとえそんな意図がないにしろ、知らず知らずのうちに、褒めてくれないとやらない、褒めてくれないと気分を害する、「褒め依存部下」を育成してしまうかもしれません。

 

【では、いったいどうすればいいのか?】

 

「褒めても叱ってもダメなら、お手上げじゃないか。いったいどうすればいいの?」

と思われるかもしれませんね。

 

昔から「部下一人ひとりに合わせたマネジメントをしなさい」とよく言われますが、まさしくそういうことだと思います。

 

部下一人ひとり、しかもその時々の状況によって、「共同体感覚」が強まる関わり方が違うということなのです。

 

~以上、本文より。~

 

 

受け取る側の「共同体感覚」が強まれば「勇気づけ」、

「共同体感覚」が弱まれば「勇気くじき」――。

 

褒められることでムクムクと熱く湧き上がる場合もあれば、本気で叱られることで心に響く場合もあります。1人の人間であっても、その時々で違います。

 

「褒める」ほうがいいのか? 「叱る」ほうがいいのか?

という問いに答えを出して人と接することよりも、

「自分がどう接すると相手を勇気づけられるのか?」

を考えながら、人と接することが大事なのだと思います。

 

 

最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。

 

 

今日が皆様にとって良い1日でありますように。

 

 

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セルフチェック ~自分自身の職場での幸福度を測ろう〜

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前回の投稿に続き、アドラーの「共同体感覚」についての続きの投稿です。

 

「共同体感覚=自分が好き/他人を信頼できる/自分は貢献できる=幸福の3条件」ということをお話しました。

 

では、自分自身の幸福度を測るにはどうすればいいのでしょうか?

 

3つのコップを思い浮かべるだけで、測ることができます。

 

今回も『職場を幸せにするメガネ』の本文から抜粋し、解説させていただきます。

 

 

~以下、本文です。~

 

ここでまた皆さんと少しやってみたいことがあります。

 

3つのコップがあるとします。

1つ目のコップには「職場にいる自分が好きだ」

2つ目には「職場の人を信頼できる」

3つ目には「自分は職場に貢献している」

のラベルが貼ってあります。

 

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 ※本文イラスト(森田さやかさん作成)より

 

では、ご自身の主観で結構ですので、それぞれのコップに水を入れてみてください。

 

あなたは自分のことをどれくらい好きですか? 

大好きなら1つ目のコップを全部満たしてもいいですし、「あまり……」という人は水が少なめになるかもしれませんね。

あくまでも感覚でOKです。

 

3つのコップに水を入れてみましたか? 

 

その水の量が、あなたの職場での幸福度=共同体感覚の強さを表しています。

 

これは私が考えた一つの方法ですが、こんなふうにして自分自身の共同体感覚を「見える化」することが可能なのです。

 

仮に水が少ししか入らなかった方も、どうか安心してください。

少ないことが必ずしも悪いとは限りません。そもそもあなたの主観で決めた量なのですから、まったく気にする必要はありません。

 

量の多い・少ないを気にするよりも、もっと大事なことが3つあります。

 

1つ目は、「あなたの幸福度は測れる」と認識することです。

あなたの心の中に、常にこのコップが存在しているイメージを持てれば最高です。

ほとんどの方にとって、これまで曖昧模糊としていた「あなたの幸福度」が見える化された瞬間だったのではないでしょうか? そして、「それだけの量の水を入れることができたのは何があったからなのか?」を考えてみるといいでしょう。

 

2つ目は、「あなたの幸福度を上げることも下げることも自在だ」と知ることです。

「少しでも水が増えている状態とはどんな状態なのか?」を想像し、「水を増やすために何ができるのか?」を考え、実行に移せば、水を増やすことができる。つまりあなた自身の幸福度を上げることができます。その逆のアプローチを取れば、幸福度を下げることができます。

 

3つ目は、「誰もが心の中にこのコップを持っていると考えるべき」と理解することです。

職場の仲間も、心の中に同じコップを持っています。あなたが部下のコップの水を増やすコミュニケーションを取れば部下の幸福度は上がり、部下のコップの水を減らすコミュニケーションを取れば部下の幸福度は下がるのです。

 

~以上、本文です。~

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

自分のコップの水の量を増やすためには、自分はどうすればいいか?

 

相手のコップの水の量を増やすために、自分はどう関わればいいか?

 

それを考え実行することが、幸せな人間関係と言えるのだと思います。

 

最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。

 

 

今日が皆様にとって良い1日でありますように。

 

 

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人間の幸福度を測れる3つの尺度がある~共同体感覚とは?~

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幸せは、目に見えない、漠然としたものです。けれども、“目に見えない幸せ”を測る尺度を“発明”したのが、アドラーのすごさではないかと感じています。

 

今回も『職場を幸せにするメガネ』の本文を抜粋しながら、人間の幸福度を測れる3つの尺度について書いていきます。

 

~以下、本文からの抜粋です。~

 

アドラーは、

「人が幸せだと感じるときは、次の3つを満たしているときだ」

と言いました。

 

その条件とは、

①自分が好き(自己受容)

②人は信頼できる(他者信頼)

③私は貢献できる(他者貢献)

です。

 

この3つの条件を満たすほど人間の幸福度は増すのだ――。

と、アドラーは定義したわけです。

 

アドラーは、この3条件が満たされている状態を「共同体感覚」が持てている状態と言いました。

そして、この3条件を本書ではわかりやすく「幸福の3条件」と呼ぶこととします。

 

幸せという目に見えない概念、そしてそれを満たす条件については、古今東西でさまざまな議論がなされてきたことでしょう。

「大事なのは愛だ」

「いや、お金だ」

「友情だ」

など、いろいろな意見があったと思いますが、アドラーの定義した3条件はまさに核心をついたものだと感じています。

 

ただ、なかには

「幸せって、人それぞれで違うんじゃないの?」

と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

そのとおりです。

「幸せの形」は、人それぞれ違うのです。

 

アドラーのすごいところは、

 

「『自分が好き』『人は信頼できる』『私は貢献できる』の3条件を満たせば満たすほど、人は幸せになれる

 

と言ったと同時に、

 

「何をすることで『自分が好き』『人は信頼できる』『私は貢献できる』と感じるか、その中身は人それぞれで違う

 

とも言っているわけです。

 

「自分が好き」を例に考えてみましょう。

 

大勢の前で堂々とプレゼンをしている自分を「好き」と感じる人。

人前に立つよりも黙々と静かにデータをまとめている自分を「好き」と感じる人。

忙しくて手が回らない仲間の作業を手伝っている自分を「好き」と感じる人。

 

一人ひとり違います。

 

「自分が好き」だと思えれば、幸福度が増します。

けれども「好きの中身」は、まさに人それぞれなのです。

 

~以上、本文からの抜粋です。~

 

 

幸せを測る尺度はあるけれども、中身は人それぞれ。

 

ですから、

「自分は何を手に入れたいのか?」

を考え実行することで自分の幸福度は増し、

「相手は本当は何を手に入れたいと思っているのか?」

と関心を寄せ、サポートすることで相手の幸福度は増していくのだと思います。

 

 

最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。

 

 

今日が皆様にとって良い1日でありますように。

 

 

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自分の「認知のメガネ」を簡単にセルフチェックする方法

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アドラーの提唱する認知論。

 

それは「人は誰もが認知のメガネをかけている」というものでした。

 

では、私たちはいったいどんな「認知のメガネ」をかけているのでしょうか? 

『職場を幸せにするメガネ』のセルフチェックを抜粋しながら話を進めていきます。

 

あなたが職場でかけているメガネがわかる方法があります。

 

それは、下記の○○○○と△△△△を埋めてみることです。

 

 

 

<セルフチェック1>

「仕事とは、○○○○すること(定義)だ。

なぜなら△△△△だから(理由)だ」

 

あなたの「仕事観」がわかります。○○○○と△△△△の部分に、言葉を入れてみてください。制限時間は1分間です。

 

○○○○には何が入りましたか?   (             )

△△△△には何が入りましたか? (             )

 

 

<セルフチェック2>

「リーダーの役割、それは○○○○することだ。

なぜなら△△△△だからだ」

 

さらに、あなたの「リーダー観」がわかります。もしよろしければ、こちらもやってみてください。制限時間は同じく1分間です。

 

○○○○には何が入りましたか?   (             )

△△△△には何が入りましたか? (             )

 

 

いかがでしたか?

 

正解・不正解はありません。

よろしければ心の中でシンプルに感じていることを書き出してみてください。

それが今のあなたがかけているメガネなのです。

 

このような「認知のメガネ」に従って、私たちは日々行動しています。

そして、そのメガネは私たちの人生に多大な影響を与えています。

 

ところが、このメガネは目に見えないものなので、メガネの存在にそもそも気づいていない人が多いのです。

 

 

 

最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。

 

 

 

今日が皆様にとって良い1日でありますように。

 

 

 

※冒頭の写真は下記からお借りしました。ありがとうございます!

https://pixabay.com/

 

 

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『職場を幸せにするメガネ~アドラーに学ぶ勇気づけのマネジメント~』

(小林嘉男著)

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誰もが「メガネ」をかけて世の中を見ている~認知論とは?~

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今回は、アドラー心理学の中の「認知論」についてのお話です。

 

この認知論は、『職場を幸せにするメガネ』という本書のタイトルと大きな関係のある考え方です。小林さんは自分自身を「私」として例に挙げながら、認知論についての説明をしています。

 

 

~以下、本文からの抜粋~

 

アドラー心理学の提唱者であるアドラーは、

「世の中に真実などない。あるのは主観的な解釈だけだ」と唱えました。

 

そして、そのことを端的にわかりやすく伝えるために、こう言いました。

「誰もが自分だけのメガネを通してモノを見ているのだ」。

 

人間は誰もが「認知のメガネ」をかけて「主観的な解釈」をしている――。

この考え方を「認知論」と呼びます。

 

「私はそんな変なメガネ、かけていませんよ! 何の思い込みや偏見も持たずに生きていますから」と言い切れる人は、誰一人いません。

 

誰もがメガネをかけ、自分の思うように物事を解釈しています。

 

非常にわかりやすい例で説明します。

 

私は犬が大好きで、家でフレンチブルドッグを飼っています。私にとって、犬はペットという域をはるかに超えた大切な家族です。

 

テレビに犬が登場したり、本屋さんで犬の写真集が置いてあると、じっと見入ってしまいます。私は「犬が大好き」というメガネをかけているからこそ、テレビに映る犬、本屋さんの写真集の犬が目に飛び込んでくるのです。

 

ところが、犬にまったく興味がないAさんは、テレビに犬が登場したり、本屋さんで犬の写真集が置いてあっても、目に入りません。けれども、趣味が自転車のAさんは、街中でロードバイクが通るたびにパッと目がいくのです。

 

一方、小さい頃に犬に噛まれたことのあるBさんは、犬を見るたびに「怖い」と感じてしまいます。向こうから犬がやってくると、たとえどんな小さな犬であっても、できるだけ距離を取ってすれ違おうとします。

 

こんなふうに犬という対象だけで考えてみても、

 

「犬が大好き」というメガネをかけて犬を見ている私

「犬にまったく関心がない」という、レンズなしのメガネをかけているAさん

「犬は怖い」というメガネで犬を見るBさん

 

……と、人それぞれが違うメガネをかけています。

 

私たちはありとあらゆる物事に対して、「認知のメガネ」をかけて見ています。

スポーツに対して、自分の親に対して、家を持つことに対して、結婚制度に対して、自分の上司に対して、政治に対して、最近のテレビ番組に対して、自分の部下に対して、満員電車に対して、コンビニスイーツに対して……。

 

常に膨大な数のメガネを持ち歩き、物事に応じてさっとメガネをかけ替え、物事を見ている……そんなイメージです。

 

なかでも、あなたの「ずっと信じてきたこと」「かたくなに信じていること」は、特にお気に入りのメガネです。そのため、あなたはとても頻繁に、そのメガネをかけたがります。

 

私は「部下を鍛えるのが上司の役割」というメガネをかけていました。このメガネが大のお気に入りでしたから、仕事中はできる限りかけていました。そして、このメガネをかけていることが重要だと思っていたし、当時の自分にふさわしいと思っていたわけです。

 

~以上、本文からの抜粋~

 

 

人は、たくさんのメガネを持っています。

そして、お気に入りのメガネをかけたがります。

 

自分自身が、どんなメガネをかけているか…?

 

ゆっくり考えてみるのもいいかもしれませんね。

 

 

 

最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。

 

 

 

今日が皆様にとって良い1日でありますように。

 

 

※冒頭の写真は下記からお借りしました。ありがとうございます!

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『職場を幸せにするメガネ~アドラーに学ぶ勇気づけのマネジメント~』

(小林嘉男著)

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人間関係には「原因論」よりも「目的論」のアプローチがよい

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今回も、前回の投稿に続き、目的論についての投稿です。

 

『職場を幸せにするメガネ~アドラーに学ぶ勇気づけのマネジメント~』の著者である小林嘉男さんは、

「人間の心を伴うケースでは、原因論的アプローチよりも目的論的アプローチで考えたほうが有効なのだ」

と言います。

 

そして、「実は職場コミュニケーションのほとんどの場合が『人間の心を伴うケース』なのだ」とも。

 

以下、本文を抜粋しながら解説していきます。

 

 

~以下、抜粋です~

 

原因論的アプローチと、目的論的アプローチ。どちらが正しいというわけではありません。

 

ロボットや機械など感情を伴わない対象についての見直し(製造プロセスの改善など)においては、原因論的アプローチが非常に有効です。

 

では、人間の心を伴うケースでは、なぜ目的論的アプローチのほうが有効なのか?

少し深く踏み込んで解説すると、その理由は主に3つあります。

 

 

前回の投稿同様、「部下に厳しく指導する先輩の下で働くAさんがいます。Aさんは、先輩の厳しい指導を避けるかのように、他部署に異動していきました」というケースで再び考えてみます。

 

 

<理由その1/「真の課題」を見つけやすいから>

 

もしもAさんの真の課題が「力不足」であり、異動の目的が「自分の力不足を周囲に知られたくなかった」であったとしたら、他部署に異動した後も同じような状況に陥る可能性があります。

 

先輩の指導に原因を求めるのではなく、Aさんが異動を求めた目的に着目した上で、真の課題と向き合って「どうやってAさんの能力を上げていくか?」を考えるほうが、Aさんにとっても、先輩にとっても、そして会社全体にとっても良い方向に進める可能性が高まります。

 

 

<理由その2/自然と個別コミュニケーションをとるようになるから

 

Aさんと同じように先輩から厳しい指導を受けているBさんがいます。ところが、Bさんは異動せず厳しい先輩の下で生き生きと働き続けました。

 

「厳しい指導」が原因であれば、Bさんも他部署に異動しても不思議はないわけです。

 

では、どうしてBさんは厳しい先輩の下で働き続けることができたのでしょうか? 

 

それは「先輩から自分ができていないところを指摘してもらうことで自分が成長できると思ったから」です。Bさんには「成長したい」という明確な目的があったからです。

 

どんな出来事も捉え方次第で解釈が変わります。そして、目的も真の課題も人それぞれ違います。目的論を学ぶことで、部下一人ひとりとのコミュニケーションの重要性がわかり、自然と個別にコミュニケーションをとるようになります。

 

 

<理由その3/部下が共同体感覚=幸福感を持ちやすくなるから>

 

原因論的に事象を捉えると、どうしても、ダメなところ、できていないところに目がいってしまいます。部下の成果が挙がらないのは「ここがダメだから」「これもできていないから」となるわけです。

 

でも、上司と顔を合わせるたびにダメ出しをされたら、部下としては、たまったものではありませんよね。

 

ところが、目的論的に捉えると、同じく成果が挙がらない部下でも、「部下の成果が挙がるためには何が必要だろうか」という思考になります。

 

もしかしたら部下の長所を伸ばすことかもしれませんし、たとえ原因論と同じようにできていないところを改善する必要がある場合でも、「もっと成果が挙げられるようになるために、ここを改善したらいいと思うのだけど、どうだろうか」という伝え方ができるわけです。

 

「君の成果が挙がらないのは、これができてないからだ!」という原因論のアプローチとは部下の受け取り方がまったく違うのではないでしょうか。

 

 

~以上、抜粋です~

 

 

結局のところ、リーダーが「何をするか」よりも、それを部下が「どのように受け取るか」が大切だ、と小林さんは語ります。

 

褒めて伸びるタイプ、叱って伸びるタイプといった表現がよく使われますが、「タイプというよりも、『その時々でどのように接することが、部下の目指す目的にプラスになるのかを考えて接していく』ということが大事」なのだそうです。

 

 

 

最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。

 

 

 

今日が皆様にとって良い1日でありますように。

 

 

※冒頭の写真は下記からお借りしました。ありがとうございます!

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過去の「原因」ではなく、未来の「目的」に着目する ~目的論とは何か?~

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今回は、アドラーの提唱したさまざまな概念の1つである「目的論」について、『職場を幸せにするメガネ~アドラーに学ぶ勇気づけのマネジメント~』の本文を抜粋しながら解説していきます。

 

~以下、抜粋です~

 

アドラー心理学の特徴のひとつである「目的論」。これはフロイトやユングの「原因論」と対照的な考え方と言えます。

 

<フロイトやユングの唱えた「原因論」とは?>

 

心理学と聞くと、フロイトやユングの名前、そして彼らの提唱したトラウマという概念を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか? 簡単に説明しますと、彼らは何か問題が起こったときに、「過去の原因」に解決を求めました。

 

例えば、「部下に厳しく指導する先輩の下で働くAさん」がいるとします。Aさんは、先輩の厳しい指導を避けるかのように、他部署に異動していきました。

 

これを原因論的に捉えると、「Aさんが異動したのには何か原因があったに違いない」と考え、原因を探します。そして例えば、「先輩の指導が厳しすぎたからに違いない」という結論に到達する--これが原因論的なアプローチです。

 

<アドラーの唱えた「目的論」とは?>

 

過去の原因に解決を求めた「原因論」に対して、アドラーは「目的論」を唱えました。

 

人間は「過去に何らかの原因」があって、感情を生み出し、行動するわけではない。人間は「未来に成し遂げたい何らかの目的」があって、感情を生み出し、行動している。――そう考えたわけです。

 

先ほどの「部下に厳しく指導する先輩の下で働くAさん」の例で、再び考えてみましょう。

 

このケースを目的論的に考えると、確かに先輩の厳しい指導が関係はしているようだが、「Aさんには異動という手段を用いることで何か得たい目的があったに違いない」と考えます。

 

では、Aさんの得たい目的は何だったのでしょうか?

 

「先輩の厳しい指導を受け続けることで自分の力不足が明らかになることを避けたかった」

「自分がどれだけ先輩の指導に傷ついたか間接的に訴えたかった」

……といった目的があったかもしれない、となるわけです。

 

目的論についてのイメージを深めていただくために、あえて親子関係の例を挙げながら、さらに説明させてもらいます。

 

子供が自室にこもり、独りでゲームをしているとします。

このとき、「原因はゲームだ! ゲームを捨ててしまえ!」という行動を取るのが原因論的アプローチです。

 

では、ゲームを取り上げ、捨ててしまえば、問題は解決するのでしょうか? 

 

おそらく解決しません。

子供は、ゲームをマンガやインターネットに替えて、部屋にこもり続けるでしょう。

 

一方、このときに「引きこもる目的は何なのか? そこに意識を向けてみよう」という行動を取るのが目的論的アプローチです。

 

「もっと自分に関心を持ってほしいから」

「学校でイヤなことがあって聞いてほしかったから」

など、子供には引きこもることによって果たしたい何らかの目的があるのです。

 

その目的に関心を向け、話を聞き、コミュニケーションを図るほうが、ゲームを取り上げるよりも部屋から出てくる可能性が高くなるはずです。

 

いかがでしょうか?

 

「目的論」のイメージはつかんでいただけたでしょうか?

「目的論」という言葉がやっぱりわかりにくい、と感じる人がいるかもしれませんね。

 

そんなときは、次の質問を心に留めておいてください。

 

それは相手が、

「本当はどうなりたかったのか?」

という質問です。

 

本当は異動したかったのではなく、力不足が明らかになることを避けたかった――。

本当はゲームをしたかったのではなく、学校でのイヤな出来事を聞いてほしかった――。

 

この「本当は」の部分に目を凝らし、耳を澄ますのが、「目的論」なのです。

 

~以上、抜粋です~

 

 

いかがでしたか?

 

人間は「未来に成し遂げたい何らかの目的」があって、感情を生み出し、行動している--この目的に対して本人が無自覚に行動していることもあります。

 

それだけに、「本当は」の部分に目を凝らし、耳を澄ますことが、リーダーとして大切なのだと感じます。

 

最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。

 

 

今日が皆様にとって良い1日でありますように。

 

 

 ※冒頭の写真は下記からお借りしました。ありがとうございます!

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「幸せ」「幸福」という言葉を見ると、ついつい……

 

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小林嘉男さんの著書『職場を幸せにするメガネ~アドラーに学ぶ勇気づけのマネジメント~』を発行させていただいてから、

「幸せ」

「幸福」

といったワードが含まれている、テレビ番組、書籍、ウェブや新聞の記事についつい目がいってしまいます。

 

カラーバス効果でしょうか。

 

 

【クローズアップ現代+(プラス)でも「幸福」がキーワードに?!】

 

 

NHKさんの『クローズアップ現代+(プラス)』(毎週月~木午後10時~)

http://www.nhk.or.jp/gendai/

でも、2017年1月4日、1月5日の放送で、立て続けに「幸福」というキーワードで特集が組まれていました。

 

 

<No.3912 2017年1月4日(水)放送>

「“幸福”を探して 人類250万年の旅 ~リーダーたちも注目!世界的ベストセラー~」

↓↓↓以下にアクセスすると、番組の内容がダイジェストで読めます

http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3912/1.html

 

 

<No.3913 2017年1月5日(木)放送>

「オイ鬼太郎!ワシの幸福論を聞いてくれ ~未公開 水木しげるの日記~」

↓↓↓以下にアクセスすると、番組の内容がダイジェストで読めます

http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3913/1.html

 

 

ちなみに、1月4日放送で扱っていた世界的ベストセラーというのが、冒頭でカバー写真を使わせてもらっている『サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福』(ユヴァル・ノア・ハラリ氏 (著)、柴田裕之氏 (翻訳)/河出書房新社さん)です。

https://goo.gl/WNkKR2

 

とても面白そうな本なので、これから読んでみようと思っています。

 

 

……以上、つぶやき的な編集部からの投稿でした。

 

 

最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。

 

 

今日が皆様にとって良い1日でありますように。

 

 

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ドラマ「嫌われる勇気」で大文字哲人教授が語った「目的論」って?

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TVドラマ『嫌われる勇気』(木曜日夜10時からフジテレビ系列)が

ストーリー#3まで終わりましたね。

http://www.fujitv.co.jp/kira-yu/index.html

 

帝都大学教授であり、警視庁のコンサルタントも務める大文字哲人氏(椎名桔平さん)は、ドラマの中でこんなことを言っていました。

 

「アドラー心理学は勇気の心理学なんです」

「不満はあれど変わろうとしない人たち……アドラーが唱える『目的論』です」

「競争の中に身を置く人々の心は休まることがないんです」

 

アドラー心理学は、さまざまな新しい考え方を私たちに提供してくれています。

 

『職場を幸せにするメガネ~アドラーに学ぶ勇気づけのマネジメント~』の著者であり、東証一部上場企業の部長でもある小林嘉男さんが、マネジメントの現場で特に大切だと感じているのが、

 

①「認知論」

②「共同体感覚」

③「目的論」

④「勇気づけ」

 

の4つだそうです。

 

なぜなら、

 

①もしも現在、あなたの職場マネジメントがあまりうまくいっていないのだとしたら、あなたのかけている「メガネ」をかけ替えることからスタートする必要がある――「認知論」を知ることで、それを学べるから。

 

②幸せな職場をつくるには、そもそも「個人が幸せな状態」とはどういう状態なのか、そして「集団が幸せな状態」とはどういう状態なのかを理解する必要がある――「共同体感覚」を知ることで、それを学べるから。

 

③では、幸せな職場をつくっていくために、部下のどこに意識を向ければいいのか――「目的論」を知ることで、それを学べるから。

 

④そして、職場の幸福度を増すために、部下とどんなコミュニケーションを取ればいいのか――「勇気づけ」を知ることで、それを学べるから。

 

だそうです。

 

さらに小林さんは、

「アドラーの①〜④の考え方は、幸福な人間社会を築くための大原則を私たちに教えてくれます。私自身にとっても、マネジメントの手法を改善したり、職場に新たな仕組みを導入する際の拠りどころとなっています。私たちの職場の土台とも言える思想なのです」

とも述べています。

 

「目的論」……椎名桔平さん演じる大文字哲人教授も、この言葉を発していましたね。

 

次回以降で、「目的論」「共同体感覚」「目的論」「勇気づけ」について触れていきます。

 

 

最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。

 

 

今日が皆様にとって良い1日でありますように。

 

 

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「理想の上司」第1位は「頑張りを見て評価してくれる」

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以前にも何度か投稿させていただいたのですが、まる出版では、ネットリサーチ会社を通じて20代~50代のビジネスパーソン310人(男性155人、女性155人)に職場の意識調査を行ないました。

 

今回は、「理想の上司がとるべき行動についての調査」についてです。

 

 

【質問/理想の上司がとるべき行動について】
「理想の上司が部下に対してとるべき行動とは、どういった行動だと思いますか?特にそう思うものを、3位までお選びください」という質問を行いました。

 

その結果わかったことは、
1位……「頑張りを見て評価してくれる」(66.1%)
2位……「意見を聞いてくれる」(65.1%)
3位……「ビジョンや方向を示してくれる」(60.3%)
でした。
 

なお、「特にそう思うもの1位」に限ると、「頑張りを見て評価してくれる」(31.3%)と「ビジョンや方向性を示してくれる」(31.0%)がほぼ同率でした。また、「意見を聞いてくれる」は、2位(24.8%)、3位(24.2%)で挙げる人が多いという結果になりました。

 


【男女別の結果では……】

ちなみに「特にそう思うもの1位」を男女別で見てみると、男性は「ビジョンや方向性を示してくれる」(32.9%)、女性は「頑張りを見て評価してくれる」(37.4%)がトップという結果になりました。

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【調査結果を踏まえて】
『職場を幸せにするメガネ~アドラーに学ぶ勇気づけのマネジメント~』の著者であり、東証一部上場の半導体製造装置メーカーである株式会社ディスコの現役部長、小林 嘉男氏は、次のように分析しています。

≪「意見を聞く」に、上司と部下との認識のギャップ≫
非常に興味深いアンケート結果になったと思います。
なぜなら、私が拙著『職場を幸せにするメガネ』で、「幸せ職場をつくるポイント」として記載したことと概ね一致しているからです。

ここでは、第2位の「意見を聞いてくれる」に焦点を当てたいと思います。
なぜなら、私の経験上、上司と部下の認識のギャップが大きいのが、この「意見を聞く」だからです。
上司が、「俺は意見を聞いているぞ」と思っていても、部下は、「この上司は意見を聞いてくれない」と感じていることが多いのです。
どうして、このようなギャップが生まれるのでしょうか?
それは、上司が意見を聞いているつもりでいても、知らず知らずのうちに、部下の意見を否定していることが多いからなんです。

例えば、上司が部下からの提案に次のように答えたとします。
「なるほど、君の意見はわかった。しかし、この点の思慮が足りないのではないかね。このままでは、お客様に提出するのは難しいな。」
上司は意見を聞いているつもりかもしれませんが、部下からすると、「しかし~」以降の上司の言葉で否定されているように感じてしまいます。これでは、部下は意見を聞いてもらったとは受け取れないのです。

≪「Yes, but」ではなく「Yes, and」に≫
では、上司は、どうすればいいのでしょうか?
とてもシンプルです。
「接続詞」の「しかし」を「そして」に変えればいいのです。
「なるほど、君の意見はわかったよ。そして、僕は、この点を加えると、さらにお客様の要望に応えられると思うんだけど、どう思う?」

最初の例は、「Yes, but」になっているのですが、2つ目は、「Yes, and」になっているのです。せっかくYesで返しても、その後にbutが続くと、部下は、自分の意見が否定されたように感じてしまいます。ですから、「but」を「and」に転換して伝える工夫をしてみてください。
  

……とのことです。

 

 

 

『職場を幸せにするメガネ』に、上司としてどのようにマネジメントすればいいのか、さまざまなポイントが掲載されています。よろしければ、書店さんで手に取ってみてください。

 

 

最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。

 

 

今日が皆様にとって良い1日でありますように。

 

 

 

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TVドラマ「嫌われる勇気」が始まる、その前に!

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いよいよ1月12日(木)夜10時から、フジテレビ系列でドラマ「嫌われる勇気」が始まりますね。登場人物を刑事に設定したところなども含めて、どんなドラマになっているのか、興味津々です。

 

http://www.fujitv.co.jp/kira-yu/

 

さて、アドラー心理学ブームの火付け役となった「嫌われる勇気」のドラマがスタートする前に、アドラーおよびアドラー心理学とは何か、を超ざっくりとですが、記しておきますね。

 

もしよかったら、ご一読ください。

 

アルフレッド・アドラー(1870〜1937)は、オーストリアのウイーン郊外で生まれました。精神科医であり、心理学者であり、社会評論家でもありました。彼の提唱した新しい心理学は通称「アドラー心理学」と呼ばれるようになったのです。

 

ジークムント・フロイト(1856~1939)やカール・グスタフ・ユング(1875~1961)と並び、「心理学の3大巨頭」といわれ、「自己啓発の父」とも称される存在のアドラーですが、その名前はこれまで世に知られていませんでした。2013年末に発売された岸見一郎先生と古賀史健氏の著書『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』がベストセラーとなったことで、初めて名前を知った人も多いことでしょう。

 

無名だった理由には「論文や著作が少なかった」「学派を組織することがなかった」なども挙げられますが、いちばんの理由はアドラー自身が「アドラーという名前など忘れ去られても構わない。この分野で働く人の誰もが、まるでわたしたちと一緒に学んだように行動するときがくるから」と寛容に考えていたからです。

 

その結果、アドラー心理学は、まるでコンピュータのOSのように、見えない形で多くの思想家の基盤となっています。『人を動かす』『道は開ける』のデール・カーネギー、『7つの習慣』のスティーブン・R・コヴィー、『夜と霧』のヴィクトール・E・フランクルなどに影響を与え、コーチングやNLP(神経言語プログラミング)といったコミュニケーション技術にも大きな影響を与えています。

 

アドラー心理学では、さまざまな新しい概念が提唱されてきました。

 

世の中で「劣等感」と呼ばれるものを「器官劣等性、劣等感、劣等コンプレックス」の3つに区別し、「コンプレックスや劣等感は誰にでもある。悪いのは、劣等感を使って問題から逃げようとすることだ」と述べたり……。

 

「人間の問題はすべて対人関係上の問題である」とし、「自らの資源や使える力をうまく工夫すれば問題は必ず解決できる」としたり……。

 

「自己啓発の父」の名にふさわしく、アドラーの考えは私たちの心を奮い立たせてくれるものばかりです。

 

なお、本書『職場を幸せにするメガネ』では、こういったアドラー心理学のさまざまな概念の中から、特に職場マネジメントにおいて大切だと感じている、

①「認知論」

②「共同体感覚」

③「目的論」

④「勇気づけ」

の4つについて取り上げています。

 

最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。

 

 

今日が皆様にとって良い1日でありますように。

 

 

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今の職場を変えたい、そう思ったら……理想の場面を思い浮かべてみる!

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さて、部下からの衝撃のフィードバックを受け、

リーダーは「幸せの専門家」である――。

すべての人に「自分軸」があり、誰もが「人生の主人公」として生きることができる――。

という言葉に出合った小林さんは、

「自分がどんなチームをつくりたいのか」

「自分がこの職場で心から見たいと願っていた場面は何だったんだろう?」

ということを、とことん考えたそうです。

 

やがて浮かんできた風景。

それは、「部下全員が楽しそうに笑っている顔」だったそうです。

 

「みんなが楽しそうに笑っている――そんな場面に初めは少し当惑しましたが、その場面を思い浮かべるほど、自分の中でしっくりくる感覚がありました」と小林さんは述べています。

 

では、彼らはなぜ笑顔なのだろう? 

小林さんは、さらに想像してみました。

 

それは、自分の仕事が好きで誇りを持っているから……。

それは、周りの仲間を信じ、みんなで成長し合えているから……。

それは、自分の仕事が誰かの役に立っている喜びを感じているから……。

そんな想像が心の中を満たしていき、あるキャッチフレーズに行き着いたそうです。

 

それが、

「ワクワク イキイキ 笑顔いっぱいの仕事がデキるチームになる」

でした。

 

自分が作りたいのは、スタッフ一人ひとりが自分らしく輝く「幸せ職場」なんだ。

・自分が好きなこと、得意なことで貢献できて、それでみんなに喜んでもらえる。

それが自分の喜びやモチベーションになる。

・職場が大好きで、職場にいると知らず知らずのうちに笑顔になってしまう。

・好きで得意なことを突き詰めるから、一人ひとりがその道のプロフェッショナル

になる。

――そんな仕事がデキるプロ集団になりたい。

そのイメージを言葉にしてみたそうです。

 

理想の職場づくりを始めるにあたっては、まず「こうであってほしい」という職場の理想的な場面を、ディテールまでありありと想像してみることが、とても重要だそうです。

 

「誰が、どんな表情で、誰とどんな内容の会話をしているか?」

などを、思い浮かべてみましょう。

 

これは、コーチングなどでも実際に使われている手法です。

 

 今の職場は違う、何かを変えなきゃ、でも……。

そんなふうに糸口をつかめないとしたら、まずは「理想の職場の場面」を思い浮かべてみてください。

 

その場面を思い浮かべてあなたの心がワクワクしたら、その場面の実現に向けて、自然と動きだすはずです。

 

 

最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。

 

 

今日が皆様にとって良い1日でありますように。

 

 

『職場を幸せにするメガネ~アドラーに学ぶ勇気づけのマネジメント~』

(小林嘉男著)

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