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アドラー心理学を学んで「幸せ職場」をつくりましよう

『職場を幸せにするメガネ~アドラーに学ぶ勇気づけのマネジメント~』(小林嘉男著)発行元、まる出版のブログです。

ミッション、ビジョン、バリューズ、行動指針を作ろう

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小林さんは、「組織の共同体感覚を強めていくための4つの適切なステップがある」と言います。

 

そしてステップ1は、

リーダーとして自分はどんな職場をつくりたいのか?=どういうにしたいのか?」

みんなでどこへかいたいのか?=目指はどこなのか?」

それはなぜなのか?=なぜそのような航海をしたいのか?」

を、リーダーは日常の場面で少しずつ発信し、共有を図っておく――というものでした。

 

maru-pub.hatenablog.com

 

今回は、ステップ2についての話です。『職場を幸せにするメガネ』の本文から抜粋します。

 

~以下、本文より抜粋です。~

 

ミッションビジョンバリューズ、行動指針をつくろう】

 

次のステップ2では、組織として大切にするものを具体的な形(ミッション、ビジョン、バリューズ、行動指針)にしていきます。

 

  • ミッション(使命:自分たちの存在意義)
  • ビジョン(展望:将来のなりたい姿)
  • バリューズ(価値観:在り方、大切にしたいこと)
  • 行動指針(行動、活動の拠りどころとなるもの)

 

これらを作らないまま淡々と仕事を進めるということは、船長が何も言わずに「全員の配置と役割」「一日のスケジュール」「達成すべき数値目標」「守るべきルール」などを書いた紙を配り、「この紙に従うように」とだけ言っている――残念ながら実際に多くの企業で行われていることですが――ようなものです。これでは部下のやる気が出るどころか、一刻も早く船から降りたくなるのも当然です。

 

そこで、幸せな職場をつくるという観点から、ミッション、ビジョン、バリューズ、行動指針の作成のポイントとなる点をお伝えしていきます。

 

【上司と部下、全員の意見を反映しながら作っていく】

 

ステップ1を通じて、リーダーのあなたの想いは、ある程度固まっていることと思います。そして、あなたがどんな想いを持っているのか、部下全員に伝わるように表明していることと思います。

 

ここまで地ならしができたら、上司と部下、全員の意見を反映しながら作っていきたいところです。

 

なぜなら、このステップ2は、「組織全体大切にしたい方」「なりたい姿」める作業だからです。そして、この作業を通じて「一人ひとりが職場の主人公なのだ」ということを共有したいからです。

 

ちなみに、「コンサルタントあるいは経営企画室主導で経営理念を作り、それをホームページにのせ、社員にカードを配る」といった形で他の誰かの手に委ねる方法は、どうでしょうか? 

 

たしかに見栄えのいいものはできるのですが、正直おすすめしません。なぜなら、形だけ取り入れても、残念ながら機能しないからです。作ったものに魂を吹き込む作業が必要だからです。

 

よく「経営理念を作って壁に掛けて満足する」という笑い話のような話を聞きます。けれども、これは笑い話でも何でもなく、多くの企業で実際に起こっていることなのです。

 

ミッション、ビジョン、バリューズ、行動指針をつくる5つの基本ステップ

 

では、どのように作っていけばいいのでしょうか? 

 

詳しい作り方については、『ビジョナリー・リーダー 自らのビジョンを確立し、組織の成果を最大化する』(北垣武文/ダイヤモンド社)、『ザ・ビジョン 進むべき道は見えているか』(ケン・ブランチャード/ダイヤモンド社)、『ビジョンマッピング やる気を創る技術』(吉田典生/PHP研究所)などの良書があり、詳しい説明がなされていて、とても参考になります。

 

基本的には、

 

①リーダーが「日頃、皆さんと話している『この職場で大切にしたいこと』をあらためて言葉にしたい」という旨を説明。

 ↓

②その上で、リーダーが自分自身で仮作成した、ミッション、ビジョン、バリューズ、行動指針を紙にまとめて提示する。

 ↓

③提出期限を設け、リーダーの仮作成物をベースに、よりしっくりくる単語、加えたい単語を一人ひとりに考えてもらう。そして、紙に書いて提出してもらう(一部の人の発言が強過ぎる場合は氏名を書かずに出してもらうほうがよい)。

 ↓

④後日全員で集合。提出された単語をホワイトボードなどに書き出す。そして、検討し、全員で納得できるミッション、ビジョン、バリューズ、行動指針を作り上げていく。

 

⑤半年、1年など期間を決め、定期的に内容の見直しを行っていく。

 

という流れになるかと思います。

 

~以上、本文からの抜粋です。~

 

  • ミッション(使命:自分たちの存在意義)
  • ビジョン(展望:将来のなりたい姿)
  • バリューズ(価値観:在り方、大切にしたいこと)
  • 行動指針(行動、活動の拠りどころとなるもの)

 

……この4つをつくることが、ステップ2になるのですね。

それぞれを作る上で意識したい点は、後日の投稿で触れていきたいと思います。

 

 

最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。

 

 

今日も、皆様にとって良い1日でありますように。

 

 

※冒頭の写真は下記からお借りしました。いつもありがとうございます!

https://pixabay.com/

 

 

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リーダーのための7つの自問

f:id:maru-pub:20170417100222j:plain前回の投稿では、幸せ職場づくりの第1ステップとして「リーダーとしての想いを明確にする」について触れました。そして、そのための具体的な方法として「そのために自問を繰り返す」というところまで書きました。

 

では、具体的にはどんなことを自問するのでしょうか? 小林さんいわくその項目は全部で7つあり、各質問項目に対する自分の答えを紙に書き出してみるのだそうです。

 

本文から抜粋し、7つの自問項目を紹介します。

 

~以下、本文からの抜粋です。~

 

【自問①】

今の仕事を始めようと思ったきっかけは? 

当時どんな想いで仕事をしていたか?

長い間仕事を続けていると、そもそも自分はどうしてこの仕事をしようと思ったのか、原点となる想いを忘れてしまいがちです。

あらためて、どうしてこの仕事をしようと思ったのか、この仕事を通じて何を成し遂げたいと思っていたのか、思い出してみます。

 

【自問②】

これだけやっていていいのなら給料も要らない

――そう思えるほど好きな仕事は何か? なぜその仕事が好きなのか?

寝食を忘れるぐらい没頭できること、好きなことには、あなたをそこまで引き付ける何かがあるはずです。

 

【自問③】

今までやってきたなかで、「もうこれだけはやりたくない」と思う仕事は何か?  

どうしてその仕事が嫌なのか?

常にポジティブでなければならない、ネガティブな感情は持ってはいけないような風潮を感じることがあります。

人間ですから、誰しもネガティブな感情を持つのは当然のことだと思います。そのネガティブな感情の裏には、本当はこうしたかった、こうありたかったという「肯定的な意図」が含まれているはずです。

ネガティブな感情は、本当は何を大切にしたかったのか、自分自身の大切にしたい「価値観」に気づくヒントにもなるのです。

そのあなたを魅了する「要素」を今のリーダーという役割に組み込んでいけないでしょうか。きっとあなたのマネジメントがパワフルになるに違いありません。

 

【自問④】

今まで仕事をしてきたなかで尊敬できる人は誰か? 

その人のどんなところが尊敬できるのか?

必ずしも一緒に仕事をした人でなくてもいいと思います。坂本龍馬や吉田松陰など歴史上の人物でもいいですし、稲盛和夫さんや孫正義さんなど現在ご活躍中の経営者でもいいでしょう。

その人のどんなところに惹かれるのか、自分が大切にしていきたいことのヒントが見つかります。

 

【自問⑤】

今まで仕事をしてきたなかで、あんなふうにはなりたくないと思うのは誰か?

その人のどんなところが嫌なのか?

いわゆる「反面教師」と呼ばれるものです。プラスであってもマイナスであっても、感情が動くところには、自分が大切にしたい「価値観」があります。

どんな相手からでも、人は学べるということです。

 

【自問⑥】

自分にとって、仕事をしていく上で大切にしたいことは何か?

そもそもどうしてこの仕事をやりたいと思ったのかという原点から、好きな仕事、嫌いな仕事、尊敬する人、反面教師と、いろいろなことを振り返ってきました。あなたが仕事をしていく上で大切にしたいことを、思いつく限り書き出してみます。

 

【自問⑦】

どんな職場をつくりたいのか? その職場には、誰がいて、どんな表情で、どんなことを言っているのか? その職場は周りの人たちにどんなふうに映っているだろうか? 理想の職場を見て、自分自身はどんな気持ちになるだろうか?

スティーブン・R・コヴィー曰く「成功は2回作られる」そうです。

1回はあなたの心の中で、もう1回は現実のものとして。

あなたがつくりたい理想の職場はどんな職場ですか?

思い浮かんだまま、自由に書き出してみます。

 

 

いかがでしたか?

 

①〜⑦まで書き出し終えたら、内容を読み返して、特に大事にしたい言葉に○印をつけてみます。

 

そして、それらの言葉を使いながら、「リーダーとして自分はどんな職場をつくりたいのか?=どういう船にしたいのか?」「みんなでどこへ向かいたいのか?=目指す港はどこなのか?」「それはなぜなのか?=なぜそのような航海をしたいのか?」を、日常のさまざまな場面で職場の仲間たちに発信してみます。

 

そして、仲間たちが「この船に乗りたい」という共感の反応を見せるのか、「この船には乗りたくない」という拒否の反応を見せるのか――彼らのリアクションを見ながら想いを固めていき、あなたの想いと仲間の想いが重なる部分を探しておくのです。

 

まずは、これがステップ1となります。

 

~以上、本文からの抜粋です。~

 

 

日常のさまざまな場面で職場の仲間たちに発信し、仲間たちのリアクションを見ながら想いを固めていき、あなたの想いと仲間の想いが重なる部分を探していく――。

 

そうやって、「自分の想い」と「仲間達の想い」を重ねていくことが大切なのですね。

 

 

最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。

 

 

今日も、皆様にとって良い1日でありますように。

 

 

 ※冒頭の写真は下記からお借りしました。いつもありがとうございます!

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「幸せ職場」をつくるために、リーダーはまず何から始めるべきなのか?

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これまでの投稿で、アドラー心理学の考え方に触れてきました。

今回からは、小林さんが、どのような考え方・やり方で、「アドラー心理学を職場マネジメントに取り入れているのか?」について触れていきます。

 

~以下、本文からの抜粋です。~

 

私たち職場のリーダーは最終的に成果を挙げることを求められるわけですが、アドラー心理学の考え方を通して「部下一人ひとりが共同体感覚を持てる『幸せ職場』をつくること」が成果にもつながるのだと共感いただけたのではないでしょうか。

 

共同体感覚についての投稿はこちら

maru-pub.hatenablog.com

 

それでは、実際どのように幸せな職場をつくっていけばよいのかを考えていきましょう。

 

私は、組織の共同体感覚を強めていくための適切なステップがあると考えています。

 

そのステップとは、次ページのとおりです。

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本文147ページより

 

 

では、これらのステップ1〜4を、どのように具体化すればよいのでしょうか?

 

私が試行錯誤しながら取り組んできた事例を交えながら、今回はステップ1についてお話ししていきたいと思います。

 

 

【「どんな職場をつくりたいのか?」を自問した上で、仲間に発信する】

 

組織は船に例えられることが多いのですが、そのとおりだと思います。

 

組織は船、職場のリーダーは船長と同じ役割を果たしているのです。

 

リーダーは、経済環境の変化、事業存続の危機、上司からの厳しいノルマ、部下の失敗、お客様からのクレーム……挙げきれないほどの困難と言えるような状況に遭遇します。

 

そういった荒波を乗り越えながら、目指す港まで全員を連れていく責任があります。

 

では、リーダーが踏むべき最初のステップとは何でしょうか?

それは、

リーダーとして自分はどんな職場をつくりたいのか?=どういう船にしたいの

か?」

「みんなでどこへ向かいたいのか?=目指す港はどこなのか?」

「それはなぜなのか?=なぜそのような航海をしたいのか?」

こういった部分のイメージを固め、船員たちに伝えることです。

 

船の乗組員の立場となって考えてみましょう。

 

「船長は私だ」ということ以外に詳しいことが伝えられないまま、その船に喜んで乗りたいと思うでしょうか? 

 

行き先がどこかもわからずに船が進み続けたら、その船に乗り続けたいと思うでしょうか? 

 

どんな航海をしたいのかを知らないまま船長に「面舵を切れ」「やっぱり取り舵だ」と指図されて、迷いなく全員で力を合わせられるでしょうか?

 

……乗組員にとって、これほど不安なことはありません。

 

ですから、まずはあなたの想いを言葉にしてみることから始めるのです。

 

そして、乗組員にあなたの想いを伝え、「この船に一緒に乗りたい」と思ってもらうことです。

 

この時点で特に大事にしたいのは、「なぜそのような航海をしたいのか?」の「 ~Why? ~」の部分です。

 

あなたの掲げる「Why?」に共感するからこそ、乗組員の気持ちがひとつになり、チームとしての一体感を醸成することができるからです。

 

では、あなたの想いをどのように言葉にしていけばいいのでしょうか? 

 

私は、想いを固めるために、常に自問をしてきました。自問することで、「あ、自分は本当はこんな職場をつくりたかったんだ……。なのに今まで相反することをやってきていた」と、ハッと気づく人も多いのではないでしょうか。

 

(※自問の内容は、次回の投稿で掲載します)

 

~以上、本文からの抜粋です。~

 

 

この時点で特に大事にしたいのは、「なぜそのような航海をしたいのか?」の「 ~Why? ~」の部分だそうです。

 

なぜそのような職場でありたいのか?

乗組員(=スタッフ)全員でどのような(航海=仕事)をしたいのか?

新年度に入ったのを機に、考えてみるのもいいのかもしれませんね。

 

 

最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。

 

 

今日も、皆様にとって良い1日でありますように。

 

 

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プレイングマネージャーほど注意が必要

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小林さんはよく、

「私の会社は、小林さんの勤める1000人以上の規模の企業とは違います。もっと小さな小さな会社です。そんな規模の会社では、マネージャーに特化できるわけはありません。プレイヤーとしてやらなければならないことも多いからです。そういう場合は、どのような考え方をすればよいのでしょうか?」

という質問をよく受けるそうです。

 

それに対して、小林さんはこのように答えているそうです。

 

~以下、本文より抜粋です。~

 

私もリーダーになってからしばらくはプレイングマネージャーでしたので、その大変さはよくわかります。まだ年齢的にも若く体力があったから乗り越えられたと思いますが、その当時が今までのキャリアの中でいちばん働いた時期で、肉体的にもつらかった時期でした。そして、その時期のほとんどが鬼上司時代でもありました。

 

正直なところ、プレイングマネージャーは、注意が必要です。

なぜなら、どうしてもプレイヤーの自分が顔を出してしまうからです。

 

リーダーとして、部下の成長を見守るという立場よりも、同じプレイヤーとして、「どうしてこんなこともちゃんとできないの」と部下を責めたり、文句の一つも言いたくなってしまいます。

 

そして、肉体的な負担も大きくストレスフルな状態であるため、寛容さがなくなり、感情的になりやすい状態でもあります。

 

また、特に対人援助職にありがちなことなのですが、人を援助する自分自身がバーンアウトしてしまう危険性があります。

 

まずは、上司自身が心身ともに良い状態であることが大切です。

上司が良い状態であるから、部下の心のケアまでできるのです。

 

ですから、一緒に働く仲間のためにも自分のためにも、上司自身の心と身体のメンテナンスを心がけていただきたいのです。

 

そして、小所帯でプレイングマネージャーの役割を果たしているリーダーにおすすめしたいのは、そういう状況であっても、「いかにチームの関係の質を向上させていくことに時間を割けるか?」をリーダーとして優先的に考えるということです。

ここに時間を割けるかどうかが分水嶺となります。

 

「ただでさえ忙しいのに、業務以外のことに時間を割けるわけがない」と思われた方もいらっしゃると思います。まさしくそのとおりだと思います。

 

そのためにも、今行っている業務を見直すなど、「関係の質」を向上するための時間を捻出するための活動が必要になります。

 

何かを得ようと思えば、そのためのアクションが必要です。

 

少し時間はかかりますが、いったん関係の質が向上し、グッドサイクルが回り始めれば、チームのパフォーマンスが上がり、部下の成長意欲も高まっていきます。この流れに乗って、部下に自分の仕事を少しずつ任せていきましょう。部下にとっても、ひとつ上の仕事にチャレンジすることで成長の機会になりますし、リーダー自身がマネージャーとしてやるべきことにさらに時間が割けるようになって、ますますチームのグッドサイクルが回り始めます。

 

<グッドサイクルについての投稿はコチラ>

 

maru-pub.hatenablog.com

 

~以上、本文からの抜粋です。~

 

 

たしかに少し時間はかかると思いますが、グッドサイクルを回し始めることが大事ですね。

 

そのためには、今行っている何かを思い切ってやめ、そこで生まれた時間を「関係の質」を構築するために費やす必要があるのです。

 

 

最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。

 

 

今日も、皆様にとって良い1日でありますように。

 

 

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部下への「ダメ出し」は、必要? それとも不必要?

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著者の小林さんが「たくさんの職場リーダーと出合うなかで、必ずと言っていいほど受ける3つの質問がある」という質問。

 

今回は、その2つめ、

「部下の良い点ばかりに注目すると言うが、ダメ出しが必要な場合もあるのでは?」

について、『職場を幸せにするメガネ』の本文を抜粋しながら紹介していきます。

 

~以下、本文です。~

 

いところできていないところを指摘してはいけないのか?

仕事である以上、できていないところを改善するのは当然ではないのか?

 

ここで申し上げたいのは、部下の悪いところ、できていないところを指摘(以下「ダメ出し」という表現にまとめます)してはいけないということではありません。

 

ただ、ほとんどの場合、部下にダメ出しをすると、「共同体感覚」がり、部下のやるもダウンしパフォーマンスもがっていく危険性のです。

 

ですから、部下にダメ出しをする場合は、そうならないような配慮が必要です。

 

では、どのような配慮が必要なのでしょうか? 

つのステップで考えてみましょう。

 

 

【ステップ1/本当にダメ出しが必要なのか?】

 

そもそも本当にダメ出しが必要なのか、再考してみることをおすすめします。人間誰しもダメ出しされることは気持ちのいいことではありません。しなくて済むのなら、可能な限りダメ出しはしないようにしたいものです。

 

まずは、なぜダメ出しをしようとしているのか、自分に問うてください。リーダーに往々にしてあることは、「自分部下よりもれていることを誇示したいという欲求が生じることです。特に、リーダーになりたての頃は、そのような気持ちが芽生えて当然だと思います。

 

「リーダーとしての力を示したい」。その気持ちが、本来なら指摘しなくてもいいような些細なことでもダメ出しすることに駆り立ててしまうのです。

 

鬼と言われた頃の自分自身を振り返ってみても、「部下の成長のため」「より良い成果のため」という大義名分の裏に、自分の能力を誇示したいという気持ちがどこか心の片隅にあったように思います。このダメ出しという行為を、上司の特権のようにしないことが肝心です。

 

 

【ステップ2/部下は自己成長にどれだけ意欲的か?】

 

次に、仕事と向き合う部下の姿勢はどうでしょうか? 

 

自己成長のためにどれだけ意欲的かによって、ダメ出しをどう受け止めるか、受け手側の捉え方が変わってきます。

 

自己成長に意欲的、貪欲な部下であれば、上司からのダメ出しは、自己の成長の機会として受け止めることができます。

 

一方、自己成長したいという意欲がそこまでない部下は、「なんで自分がそこまで言われなくてはいけないのか」と、自尊心を傷つけられたように感じてしまったり、自分自身の存在が否定されているかのように受け取ってしまうこともあります。

 

そのような部下に繰り返しダメ出しすると、上司と仕事を続けることが苦痛になり、他部署に異動したり転職したりチームを離れていくことにつながったりします。

 

このように自ら動くタイプはまだいいでしょう。上司からのダメ出しが原因で、メンタル不全など体調を崩す部下も現れてきます。

 

実際、私の鬼上司時代は、離職率が高く、中途入社した部下が1ヵ月で辞めてしまったこともありました。

 

 

【ステップ3/部下との信頼関係は構築されているか?】

 

そして、あなたと部下の信頼関係はどうでしょうか?

 

たとえ成長意欲が高い部下であっても、ダメ出しというのは、言われた側にとっては気持ちのいいものではありません。

 

そこで重要になるのが、上司と部下の信頼関係です。

 

「この上司が言うことなら間違いない」「この上司なら自分の成長のために言ってくれている」と部下が思えるような関係性を築いているでしょうか?

 

そして、ダメ出しの伝え方も大切です。関係性にあぐらをかいて、受け手に配慮のない、愛のないダメ出しを続けていると、信頼関係が壊れてしまうこともあるからです。相手は心を持った生身の人間なのですから。

 

 

【業務上指摘すべきことを伝える際のポイント】

 

ただし、これまで述べてきたような部下の成長意欲や信頼関係の有無にかかわらず、業務上指摘しなければいけないことも多々あります。

 

そういう場合は、上述のステップ1〜3の確認に加えて、次のような配慮が必要です。

 

① 成果物の優れているところから伝える

② この仕事の目的、目指すべきところを再確認する。ここで上司と部下の認識にズレがあるようなら、ゴールを再共有する

(目的・ゴールの認識のズレがミスコミュニケーションの最大の原因の一つだから)

③ その上で 、②の状態に到達するためにさらにできることはないか一緒に考える

④ ③において部下から意見が出てこないようなら、上司の意見として提案する

 

ここでのポイントは、あくまでも目的を達成するために、さらに改善できることを考えるという、この行為自体の目的をしっかりと認識することです。決して上司が部下にダメ出しをして攻撃することが目的ではないことをしっかりと共有します。

 

そして、その目的に向かって一緒に考える。つまり、上司と部下の共同作業とするのがいいでしょう。そうすることで、上司は指摘する人、部下は指摘される人という上下の関係から、共により良いものを目指す同志となれるからです。

 

上司と部下が一枚のキャンバスに向かって、一緒に絵を描いているイメージです。ダメ出しではなく、より良いものを一緒にアイデアを出しながら創っていくイメージです。

 

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本文P132より(イラスト/森田さやかさん)

 

 

これをアドラーは、「横の関係」と言いました。

 

たとえ上司と部下であっても、上司は偉い人、部下は従う人という上下の関係ではなく、お互いに人生の主人公として「横の関係」で関わるということがとても大切なのです。

 

~以上、本文です。~

 

 

ステップ1/本当にダメ出しが必要なのか?

ステップ2/部下は自己成長にどれだけ意欲的か?

ステップ3/部下との信頼関係は構築されているか?

 

……これらに配慮した上で、ダメ出しするかどうかを決めると良さそうです。

 

 

最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。

 

 

今日も、皆様にとって良い1日でありますように。

 

 

 ※冒頭の写真は下記からお借りしました。いつもありがとうございます!

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